セミナー紹介

フォルダブル(折り畳み)スマートフォン向けに、真のフレキシブルOLED(有機EL)が、その最大の特長であるフォームファクターを武器として2019年中に市場投入される見込みだ。

スマートフォンは、移動体通信の高速化・大容量化を実現する5G時代においても中心となるIT機器である。5Gはこうした機器のディスプレーの高解像度化を後押しするが、物理制約があるため画面サイズの拡大は難しい。フォルダブルOLEDは広げた際に画面が拡大するため、4K化が容易になることから、5G時代を支えるディスプレーデバイスとして期待を集めている。また、眼前の大画面を対象とするAR・VR機器は、家庭利用を含めて近未来の移動通信機器の有力候補となっている。そのディスプレーには、さらなる高精細化・高ppi化が必要とされる。

また、展示会では、8K解像度TVで最高画質をOLEDとLCD(液晶)が競う姿が数多く見られる。LCDはOLEDに対して欠点とされたコントラスト比や視野角の性能について、ローカルディミングBL(バックライト)、光拡散フォルム、デュアルセルなどの新技術を導入することで大幅な改善を果たしている。HDR対応テレビの輝度は、2019年モデルでは2000nitsを超えるようになってきた。32型6Kモニターでは1600nits、コントラスト比100万対1の高性能を、業界初の量産とみられるMini-LED技術のローカルディミングBLで得ている。高輝度を武器にLCDは主役を譲らない構えだ。

さらに、次期ディスプレーの主役を虎視眈々と狙うQD-OLED(OLED駆動QD)やμLED(マイクロLED)の新デバイスもプライベートを含む展示が相次いでいる。2019年は、これら新デバイス技術が市場でそのパフォーマンスを競い合う激乱の始まりの年である。Near Eye(AR・VR含む)、スマートフォン、車載、タブレット、ノート、モニター、TV、サイネージの各市場でLCDとOLEDの直接対決のみならずQDディスプレー、μLEDが虎視眈々と市場参入を狙う戦国絵巻が展開されている。

これらの新しいデバイス技術に関しては、展示会では見ることはできても、基本となる構造、動作原理、あるいはこれらが提供する画質、効率の段階を経た未来への定量的変化、そして困難が予想される技術的な開発課題の詳細が開示されることは少ない。

本講座では、これらの新しいFPD技術である、フォルダブルOLED、ローラブルOLED、LCDの性能改善、AR・VR向けのμOLED、QD-OLED、μLEDを基本構造、動作原理から解説、これに基づいて画質、および効率(消費電力)の具体的設計計算を行い、最新ディスプレー技術の近未来を定量的に予測する。2019年の展示会で発表されたディスプレーのデバイス構造を解析対象とする。背景となる基礎データは入念な調査を行った各社の最新特許公報をベースとする。


受講効果

チェック本格的5G時代を控え、生活空間を変貌させる可能性のあるフレキシブルデバイスの最新概要を理解でき、その影響を受ける様々な機器との関係を予測できる知識が得られます。

チェック新しいFPD技術である、フレキシブルOLED、大型WOLED、QD-OLED、あるいはμLED、AR・VR向けのμOLEDの基本構造、動作原理を漏れなく理解し、それを具体的な画質、効率の設計(計算)で定量化された精度の高い未来把握ができます。

チェック新FPDデバイスの近未来の定量設計やこれから予想できる課題を理解でき、関連部材の将来動向把握をより具体的イメージで描けます。

チェック昨年(2018年)の講座で取り上げなかった大型対応LCDやWOLEDそしてμOLEDの技術解析も新たに加えます。解析する題材は「CES 2019」(2019年1月開催)以降に発表された最新技術(同年5月開催の「SID 2019」で発表された技術を含む)に焦点を当てています。内容を一新していますので、昨年受講された方が参加しても技術動向の新たな技術情報や知見を得ることができます。

開催概要

セミナー名 折り畳みOLEDからμLEDまで、新型ディスプレー技術を定量解析
日時 2019年11月6日(水)10:00~17:00 (開場 9:30)
会場 Learning Square新橋 6F
東京・新橋
JR・都営浅草線・東京メトロ銀座線「新橋駅」徒歩2分
受講料

49,800円(税込み)

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経 xTECH、日経エレクトロニクス

講師紹介

小野 記久雄 (おの きくお)氏

サークルクロスコーポレーション フェローアナリスト

1982年日立製作所日立研究所入所。半導体IC、LTPS開発に従事。1993年日立製作所 電子管事業部(後の日立ディスプレイズ)へ異動。TFT-LCD開発。特にTV用IPS-LCDの開発を主な担当とする。2009年パナソニック液晶ディスプレイ株式会社へ異動。FPD技術調査(LCD、OLED、QLED、μLEDなど)を行う。2017年末退職。2018年1月よりサークルクロスコーポレーションFellow Analyst 就任。
主な受賞歴に、「2013年(公社)発明協会 全国発明表彰、発明賞」「2015年文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)受賞テーマ『広視野角で低消費電力を実現したIPS方式液晶パネルの開発』」がある。登録特許446件保有、特許分析に精通。

プログラム (10:00~17:00)

※最新情報をお届けするため、内容が変更になる可能性があります。

1.本格的5G時代を控えたディスプレーデバイス技術の進化

  • (1)ディスプレー市場(AR・VR、スマホからモニター、TVまで)の主役交代をめぐるディスプレーデバイス戦国絵巻
  • (2)特許出願調査に見るデバイス主役交代の動き
  • (3)フォームファクター優位性を武器に5G時代に対応するフレキシブルOLED
  • 3-1:フォルダブル・スマートフォンディスプレーとその構造
    ―ヒンジ構造やバッテリー配置を最新特許公報で解説
    3-2:フォルダブルカバー技術
    ―発売延期の原因とされるカバーフィルム技術を分析、さらにガラス化に向けた技術を破壊工学視点で解析
    3-3:屈曲性・衝撃性を改善しスクラッチブルを目指すOLED技術
    3-4:屈曲性対応で薄型化を進める円偏光板技術
    3-5:大型TV用ローラブルOLED技術

2.新ディスプレー用FPDデバイスの構造・原理および画質、効率の定量設計

  • (1)8K製品化に向け画質を向上させたTV用LCD
  • 1-1:CES 2019で見られた8KをめぐるLCD vs OLEDのポイントとなるHDR、カラーボリューム特性
    1-2:VAパネルの視野角性能を改善する拡散(散乱)フィルム
    1-3:コントラスト比で100万:1を実現するDualセル
  • (2)8K製品化に向け開口率向上を図るTV用OLED
  • 2-1:基本構造と動作原理
    2-2:8K化での輝度、寿命を決める開口率設計
    2-3:次世代開口率向上技術の考察
    2-4:CES 2019以降発売されたHigh End TVの性能分析(LCD vs OLED)
  • (3)実用化に向けて現実的開発に舵を切ったTV用QD-OLED
  • 3-1:基本構造とQDCFの動作原理
    3-2:65型開発で見えてきた現実的な技術開発内容
    3-3:性能ターゲットはカラーボリューム特性の改善
    3-4:2019年市場製品の色再現性調査とQD技術の方向性
  • (4)輝度、コントラスト比を飛躍させたモニター用32型6K LCD技術を分析
  • 4-1:製品広報、特許分析から薄型BL技術を解明
    4-2:Mini-LED技術展開への影響
  • (5)産業用デビューからTV適用を目指すμLED
  • 5-1:基本構造と動作原理
    5-2:75型4K開発で見えてきたμLED量産上の課題
  • (6)表示デバイスの性能効率の定量比較(65型でシミュレーション)
  • (7)Near Eye(AR・VR)市場で圧倒的高性能化を目指すμOLEDと挑むμLED
  • (8)μLEDの築く新コンセプトディスプレイの未来
※プログラム内容・講師は予告なく変更になることがあります。予めご了承ください。
申し込む

【お申し込み注意事項】

  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
  • ※お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。申し込んだ方の都合が悪くなった場合は、代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
  • ※受講料のお支払い: お支払方法が「請求書」の方には、後日、受講証・請求書を郵送いたします。ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますのであらかじめご了承ください。クレジットカード払いの場合、受講証・請求書の郵送はありません。お支払い手続きにて決済が完了した後、以下「MyPageメニュー」にお申し込み内容と受講証が表示されます。セミナー当日、ご自身で印刷した受講証をご持参いただくか、携帯端末などにMyPageから受講証を表示いただくようお願いいたします。
    <MyPage>https://ers.nikkeibp.co.jp/user/myPageLogin/
  • ※講師企業と競合すると考えられる製品やサービスなどをご提供される会社の方は、主催者の判断に基づき受講をお断りさせていただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。
  • ※会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。また、お子さま連れでのご参加はご遠慮ください。
  • ※講師の急病、天災その他の不可抗力、またはその他やむを得ない理由により、講座を中止する場合があります。この場合、未受講の講座の料金は返金いたします。