セミナー紹介

MaaS(Mobility as a Service)に自動車・電機業界の注目が集まっています。2018年にトヨタ自動車が発表した『e-Palette Concept』では、自動運転車が『ショールーム』『レストラン』『オフィス』など様々なサービスを提供する未来が示されました。

しかし、これらのサービスを実現するにあたって、その配電システムは容易に実現できるのでしょうか?ノイズや電源の故障によって自動運転車が誤動作したら大切な命を奪いかねませんし、スマートフォンや航空機のバッテリーが発火事故を起こしているように、バッテリーを含んだ配電システムの信頼性確保は容易ではないのです。

ところが、MaaSの配電システムには、様々なサービスに応じたオーダーメイド対応が求められます。しかも、クルマの開発の様に4~5年かけてじっくり開発することも許されません。数か月で作ってくれ!と要求されるのではないでしょうか。当然、限られた車載スペースやバッテリーを有効に活用するためには、小型・薄型で高効率な電源であることも求められます。

このように、短期間に高信頼・高性能な電源システムを提供することは簡単ではありませんが、千差万別のサービスに応じたオーダーメイド型のビジネスモデルは、脱コモディティ化のチャンスとも言えます。世界に先駆けて『MaaSの配電プラットフォーム』という新たな市場を開拓するためには、産学官が一丸とならなければなりません。オープン・イノベーションで取り組む体制づくりも必要でしょう。

このセミナーでは、まず、『コトを実現するクルマ』を実現するために『配電プラットフォーム』の構築が重要であることを示し、続いて、直流の配電システムの一つとして有望な48Vシステム・電源技術について、googleなども取り組んでいるデータセンター用48V配電システム技術や弊研究室がこれまでに取り組んできた電源技術を紹介します。

次に、製品や学術論文にみられる絶縁形コンバーターの様々な工夫をご紹介し、弊研究室が取り組んでいるマルチポート電源をご紹介します。EVのメインバッテリー、サービス提供用のバッテリー、補機用バッテリーなど複数のバッテリー間のエネルギーを双方向に充放電し、かつ、自動車から家庭への電力供給できる小型高効率な手法です。

また、サービスを提供するクルマの稼働率を上げることを目的として、超急速充電時に有効な技術や車載太陽光発電システムについての研究成果を紹介します。

その他にも、体積約40cc・出力65Wの小型高効率ACアダプター、パワーデバイスの駆動回路、バッテリーセルの電圧均等化回路についてご紹介します。

加えて、本セミナーでは、スマートエナジー研究所の中村創一郎氏に『電源向けモデルベース開発の導入事例』をご紹介いただきます。電源システムのモデルベース開発は、MaaSの配電プラットフォームを短期間に設計するために核となる技術です。


受講効果

チェック直流の配電システムとして有望な48Vシステム・電源技術について、理解を深めます。

チェック絶縁形コンバーターにおける様々な工夫や自動車から家庭への電力供給することも可能なマルチポート電源について、小型高効率でシンプルな手法を理解します。

チェックその他にも、小型高効率ACアダプターやパワーデバイスの駆動回路、バッテリーセルの電圧均等化回路についても学びます。

開催概要

セミナー名 日経 xTECH ラーニング
MaaS新時代のクルマの実現は、電源が鍵を握っている
日時 2019年10月30日(水) 10:00~17:00(受付開始9:30)
会場 エッサム神田ホール 1号館
東京・神田
JR神田駅東口 徒歩1分、東京メトロ銀座線神田駅 3番出口すぐ
受講料

49,800円(税込み)

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経 xTECH 日経エレクトロニクス

講師紹介

西嶋 仁浩(にしじま きみひろ)

崇城大学 情報学部 情報学科 准教授

2002年3月に崇城大学大学院工学研究科博士後期課程エネルギーエレクトロニクス専攻を修了し、崇城大学嘱託教務職員を経て、2003年4月より大分大学の助手、2007年より助教。平成30年4月より、崇城大学情報学部情報学科准教授として現在に至る。スイッチング電源回路の小型高効率化、バッテリー電圧の均等化回路の研究に従事し、複数の企業との共同研究を行っている。博士(工学)。
『日本学術振興会 次世代のスイッチング電源システム第173委員会 幹事』『電気学会 次世代自動車用車載・インフラ電源システム調査専門委員会 委員』『エネルギーハーベスティングコンソーシアム オブザーバー』『くまもと技術革新・融合研究会RIST 企画委員』『大分県産学官連携グループ“超小型モビリティー普及の研究” 参加教員』

中村 創一郎(なかむら そういちろう)

スマートエナジー研究所 代表取締役社長

10年程モデルベース開発を用いた電源設計、システムズエンジニアリングによるスマートシステム開発を行う。系統連系インバーター、双方向DCDCコンバーターの開発およびシステム開発、モデルベース開発手法のコンサルティングに従事。九州大学客員助教、システムズエンジニアリング研究会理事

プログラム (10:00~17:00)

各章の★印は講師の研究室が取り組んだ成果です。

はじめに コトを実現するクルマのための配電プラットフォームの提案

【1章】コトを実現するクルマのための配電プラットフォーム(担当:西嶋)

  • 1.1 配電プラットフォームに必要な電源の種類とは?電源には何が求められるのか?
  • 1.2 自動運転に必須となる電源の2重化と短絡保護機能の重要性
  • 1.3 短期開発に必要となる電源システムのモデルベース開発

【2章】データセンターの48V配電アーキテクチャー(担当:西嶋)

  • 2.1 CPU用電源に用いられるマルチフェーズ方式
  • 2.2 12V配電および48V配電アーキテクチャー
  • 2.3 Googleも検討している種々の共振形スイッチトキャパシタコンバーター
    (国際学会APEC 2019, 2018で提案されている回路の紹介と比較)
  • 2.4 その他、48V配電アーキテクチャーのための電源回路技術

【3章】48V配電に適した種々の高降圧比コンバーター(担当:西嶋)

  • 3.1 コンデンサー分圧方式マルチフェーズコンバーター ★
    ~降圧比4倍、FETの電圧ストレスが4分の1になる次世代CPU用電源
    (NEDO事業における研究成果)
  • 3.2 短絡保護機能を先天的に持つタップドインダクター降圧形コンバーター ★
    (NEDO事業におけるTDKラムダとの共同研究成果)
  • 3.3 2巻線インダクターを用いた高降圧比2相式コンバーター ★
    (NEDO事業におけるTDKラムダとの共同研究成果)

【4章】クルマに用いられている48V/12V変換DC-DCコンバーター(担当:西嶋)

  • 4.1 48Vマイルドハイブリッドシステムとカップルド・インダクター・コンバーター
    (製品の分解調査結果を含む)
  • 4.2 臨界モード方式降圧形コンバーターによるゼロ電圧スイッチングとその課題
  • 4.3 効率98%を超える低ノイズ降圧形コンバーター ★
    (ZVS補助回路方式)(デンソーとの共同研究成果)

【5章】自動車用絶縁形コンバーターの工夫と高効率・小型化技術(担当:西嶋)

  • 5.1 各種車両に用いられている12V補機用電源の工夫
  • 5.2 車載普通充電器における工夫 ~All GaN 電源,双方向DABコンバーター
  • 5.3 磁気部品一体型カレントダブラー・ハーフブリッジ・コンバーター ★
  • 5.4 Vicorのファクタライズド・パワー・アーキテクチャー
  • 5.5 電流共振コンバーターと磁気部品一体型カレントダブラーコンバーターを複合した位相シフト絶縁形DC-DCコンバーター ★
  • 5.6 高周波化・小型高効率化が可能な双方向コンバーター ★
  • 5.7 複数のバッテリー間の充放電を可能とする小型高効率マルチポート電源 ★
  • 5.8 AC-DCコンバーターの小型化・高効率化を両立する手法 ★
    ~瞬低補償機能を備える2相式PFC回路
  • 5.9 走行時の部分影に対応した車載太陽光発電システム ★

【6章】ACアダプターに用いられる技術と小型高効率化(担当:西嶋)

  • 6.1 FINsix DART に用いられている小型高効率技術(分解調査結果を含む)
  • 6.2 Avogy ZOLTに用いられている小型高効率技術(分解調査結果を含む)
  • 6.3 約40cc・65Wを実現したACアダプター ★
    (リコー電子デバイスとの共同研究成果)

【7章】パワーデバイスの駆動技術(担当:西嶋)

  • 7.1 並列接続されたスイッチ素子の駆動タイミングを同期させるための回路 ★
  • 7.2 数十MHzで周波数制御可能なGaNデバイスの低損失ゲートドライブ回路 ★
    ~可変容量コンデンサーを用いた回生形正弦波ゲートドライブ回路~

【8章】直列接続されたバッテリーの電圧均等化回路(担当:西嶋)

  • 8.1 多巻線トランスによる電圧均等化 ★
  • 8.2 スイッチドキャパシタによる電圧均等化 ★
  • 8.3 PWMコンバーターによる電圧均等化 ★

 ゲスト講演:電源向けモデルベース開発の導入事例(担当:中村)
 ~生産性をあげるためのシミュレーションとは~

  • 電源向けMBDの特徴
  • 導入事例と効果
  • プラントモデリングで気を付けるべきところ
  • 大規模電源システムシミュレーションのために

 ※11:00~12:00で講演予定

※プログラム内容・講師は予告なく変更になることがあります。予めご了承ください。

【お申し込み注意事項】

  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
  • ※お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。申し込んだ方の都合が悪くなった場合は、代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
  • ※受講料のお支払い: お支払方法が「請求書」の方には、後日、受講証・請求書を郵送いたします。ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますのであらかじめご了承ください。クレジットカード払いの場合、受講証・請求書の郵送はありません。お支払い手続きにて決済が完了した後、以下「MyPageメニュー」にお申し込み内容と受講証が表示されます。セミナー当日、ご自身で印刷した受講証をご持参いただくか、携帯端末などにMyPageから受講証を表示いただくようお願いいたします。
    下記Mypageにて申し込み状況を確認いただけます。
    <MyPage>https://ers.nikkeibp.co.jp/user/myPageLogin/
  • ※講師企業と競合すると考えられる製品やサービスなどをご提供される会社の方は、主催者の判断に基づき受講をお断りさせていただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。
  • ※会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。また、お子さま連れでのご参加はご遠慮ください。
  • ※講師の急病、天災その他の不可抗力、またはその他やむを得ない理由により、講座を中止する場合があります。この場合、未受講の講座の料金は返金いたします。