本セミナーは、Webセミナープラットフォーム「Deliveru」を使って、当日ライブ配信します。
※講師の講演部分に関しましては、後日見逃し配信を予定しています。

9月13日(火)午前10時に締め切らせていただきます。

セミナー紹介

本講座では、トヨタ自動車でエンジンの設計開発に長年携わってきた技術者が、温暖化対策/エネルギー転換/大気質改善といった観点で、自動車メーカーやエネルギー資本、電力セクターが検討すべき課題を明確にし、講師が分析した10~30年後の世界および各国・地域の次世代車のあるべきセールスミックスを踏まえた上で、各国の自動車メーカーの戦略の方向性の確からしさを検証します。

2019年9月に開催された国連気候行動サミットと、2020年の新型コロナウイルス禍で、ようやく二酸化炭素(CO2)削減に取り組む機運が高まってきました。ただし、あと10年も残されていない中で、世界が協調して実効の伴う対策を講じなければ、産業革命以降の世界の平均気温上昇を1.5℃以下に抑えて気候危機の連鎖を食い止めることはできません。

国連は2050年にカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ、炭素中立)を掲げ、米国の呼び掛けによる2021年4月の気候変動サミットを経て、2021年10月には英国グラスゴーで国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催されました。2030年目標なども含め議論が交わされましたが、中国とインドなどからは、2030年までに2010年比でCO2 45%削減を意識した目標値は提示されませんでした。2022年末、エジプトで(COP27)が開催されるまでに、明確な目標とそれを実現するための道筋を練って、再度持ち寄ることになりましたが、新興国に対する十分な資金援助がなければ成果は期待できません。もはや各国首脳にもたもたしている時間はないのです。

彼らは2030~35年にかけて、エンジン車廃止を表明していますが、その理由を分析すると、それらがあまりにも稚拙であることが見えてきます。確固たるエネルギー政策に裏打ちされた、戦略ではありません。自動車の目指すべき姿は電動化ありきではなく、顧客のニーズに応え、燃料やエネルギーを含めたWell to Wheel(WtW;油田からタイヤを駆動するまでのCO2排出量)、さらにはライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment;LCA)を踏まえてカーボンニュートラルを実現することにあります。各国政府と電気自動車(EV)などに傾注するメーカーには、少し冷静な検討が必要です。

CO2削減で最も大事なことは、確固たるエネルギー政策を各国政府が立案し、その実現に向けて関連産業の開発を後押しすることにあります。自動車や旅客機、産業機械、家電などあらゆる製品や機械は、エネルギーがなければただの鉄くずです。製品および機械の効率改善はメーカー責任で進める必要がありますが、化石燃料を使う限りCO2は排出されます。その意味で、全産業を対象にし、脱化石化を考えたグリーンエネルギー政策を最優先で進めなければなりません。最優先で検討すべきは、CO2削減に向けた燃料/エネルギー戦略であり、自動車の電動化などではありません。化石燃料を使うエンジン車やジェット旅客機、船舶、火力発電所などがなくなることを否定はしませんが、脱化石燃料(グリーン燃料:カーボンニュートラル燃料、カーボンフリー燃料)に転換すれば全て残るということです。ただし、課題はグリーン燃料の必要量をどう確保するかにあります。

また、脱化石化と言いましたが、石油などの化石燃料は無限ではありません、IEA(交際エネルギー機関)などによると、石油産出量はピークアウトし、今後、石油採掘が難しくなることから現状比で2025年に1/2に、2035年には1/4に、2050年にゼロに激減すると警鐘を鳴らしています。石油の消費が減ればCO2も同時に低減しますが、エネルギー不足によってあらゆる産業は破綻し、食料危機(農業、水産業)を含めて多くの問題が噴出することになります。そのためにも、グリーン燃料の早期開発と大量生産技術の確立が急務となるのです。

日本は、これまで1次エネルギーの88%(化石燃料)を輸入に頼ってきました。そのため、先進国の中でもエネルギー危機に伴うさまざまな問題が早期に深刻化すると予想されます。国内でグリーン燃料の地産地消を真剣に進め、同時にそれで不十分なものは、これまでと同様に輸入に頼るしかないのです。地政学的リスク管理も、これまで以上に重要となります。

自動車においては、再生可能エネルギーを使った電気をEVや、その再生可能エネルギーの余剰分を使って製造した水素を燃料電池車(FCV)に活用してCO2削減を進める方法に限定すべきではありません。政府には、多様なグリーン燃料への転換とその製造・供給量確保への道筋を明確にすることが求められます。そして、自動車メーカーには、予想される供給量に応じて、顧客のニーズへの対応とカーボンニュートラルを両立するために、エンジン車やハイブリッド車(HEV)を含めた電動車の「全方位開発」が求められます。

各国・地域により、エネルギーや燃料事情は異なってくると予想されますが、政府や全ての産業、エネルギー資本、電力セクターが一体となって進めなければ、グリーンエネルギー(グリーン電力とグリーン燃料)の確保と大幅なCO2削減の両立により、経済維持を図ることはできません。まさに今、エネルギー・燃料の大転換が求められており、各国はそれに沿ったエネルギー戦略を立案する必要があるのです。

世界の2大巨頭であるトヨタ自動車とドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン;VW)の経営戦略は全く異なります。トヨタ自動車は地球環境と社会貢献、顧客に喜ばれるクルマづくりを基本にHEVを「現実解」として全方位開発を推進してきました。一方、VWは、新車販売台数で世界トップになるという収益を重視した急速な販売増を進める中で、2015年にディーゼル排出ガス不正が発覚して多額の罰金・補償費を払い、主力と考えていたクリーンディーゼル戦略から、いとも簡単にEVへの転換を掲げました。ただし、両社ともエンジンを重要な位置付けとしていることは共通しています。また、燃料は石油系燃料ではなく、微細藻類バイオ燃料や合成液体燃料(e-fuel)といったカーボンニュートラル燃料を前提としています。

国連は2019年9月の国連気候行動サミットで、2030年までに2010年比でCO2排出量の45%削減(平均気温上昇1.5℃以下)が必要と述べています。2050年のカーボンニュートラル達成よりも時間が短い分ハードルは高いのです。また、自動車のCO2を45%削減するということは、現在世界に存在する12億台の保有車のCO2を45%削減しなければなりません。新車のCO2削減だけではこの目標達成は不可能なのです。既に、ドイツAudi(アウディ)やドイツPorsche(ポルシェ)、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、マツダなどが表明しているように、ガソリンや軽油をカーボンニュートラル燃料であるバイオ燃料やe-fuelに転換する必要があります。これらの燃料をガソリンや軽油に混合すれば、保有車のCO2排出量を削減できます。既存のインフラも使える上に、エンジンの改良もほとんど不要です。サプライチェーンや雇用、設備の大幅変更も必要ありません。

各国政府は、再生可能電力への舵(かじ)を切り、水素燃料に関しても莫大な予算をつけて、関連企業の開発の後押しを開始しました。ただし、いまだに保有車のCO2削減に効果のあるバイオ燃料やe-fuelには言及していません。「木を見て森を見ず」なのです。経済維持を前提に、石油減産への対応とCO2削減の戦略を考える上で、最も重要なグリーン燃料と電力戦略を早急に詰める必要があると思います。これは、自動車産業だけではなく、全ての産業に共通する課題です。


本講座の特徴

チェック2030年までにCO2の45%削減を実現するためには、自動車の電動化議論の前にグリーンエネルギーおよび燃料政策が重要であることが理解できる。

チェックエネルギー転換を含めた技術戦略の立案方法および優先順位の付け方が理解できる。

チェック将来の自動車販売台数とセールスミックスの予測手法が理解できる。

チェック各国主要自動車メーカーの技術戦略の違いとそれらの妥当性を理解できる。

チェック欧米中各国政府の電動化戦略の思惑を理解できる。


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開催概要

セミナー名 脱炭素時代の自動車戦略2022 日欧米中の戦略とあるべき戦略
日時 2022年9月13日(火)10:00~17:00
会場 オンライン開催
Webセミナープラットフォーム「Deliveru」で配信するセミナーです
受講料

52,000円(税込み)
※上記は1名様の料金です。複数名での共有は禁止させていただきます。

定員 60名
※最少開催人数(15名)に満たない場合は、開催を中止させていただくことがあります。
主催 日経クロステック 日経Automotive

講師紹介

藤村 俊夫(ふじむら としお)氏
Touson自動車戦略研究所 代表、自動車・環境技術戦略アナリスト、
愛知工業大学 工学部 客員教授(工学博士)、元トヨタ自動車、
自動車関連部品メーカー数社の顧問を兼任

藤村 俊夫<span class="fontSizeS">(ふじむら としお)氏</span>

1980年に岡山大学大学院工学研究科修士課程を修了し、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。入社後31年間、本社技術部にてエンジンの設計開発に従事し、エンジンの機能部品設計(噴射システム、触媒システムなど)、制御技術開発およびエンジンの各種性能改良を行った。2004年に基幹職1級(部長職)となり、将来エンジンの技術開発推進、将来の技術シナリオ策定を行う。2011年に愛知工業大学に転出し、工学部機械学科教授として熱力学、機械設計工学、自動車工学概論、エンジン燃焼特論の講義を担当。2018年4月より同大学工学部客員教授となり、同時にTouson自動車戦略研究所を立ち上げ、自動車関連企業の顧問をはじめ、コンサルティングなどを行う。

活動(研究歴、所属学会、著書など):自動車技術会 代議員/論文校閲委員、日本機械学会。2001年「ディーゼル新触媒システム(DPNR)」で日経BP賞技術賞エコロジー部門賞受賞。2003年「ディーゼルPM、NOx同時低減触媒システムDPNR」で日本機械学会技術賞受賞。著書に『EVシフトの危険な未来』(日経BP)がある。

プログラム (10:00~17:00)

1. CO2低減は待ったなしの緊急課題!
2014年のIPCC5次レポートの報告を受け、2015年にパリ協定(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議;COP21)が採択され、その翌年には異例の速さでパリ協定が発効されました。これにより、産業革命以降の平均気温上昇を2℃以下とすべく、先進国のみならず、新興国もCO2削減の自主目標を掲げました。ただし、その後もCO2をピークアウトさせることができない中、2019年9月に国連行動サミットで、平均気温上昇2℃以下では甘いと1.5℃以下必達が提示されて、各国はこれにコミットしました。ここ10年でCO2を45%削減できなければ、気候危機の連鎖が始まって人間の力ではどうにもできない事態に陥るということです。CO2の大幅削減を実現するために最も必要なことは、燃料やエネルギーの脱化石化に向けた道筋を明確にすることであり、自動車の電動化ありきではないということです。
ここでは、温暖化危機が既に迫っている中で、1次エネルギーと電力の脱化石化を10年、20年スパンでどのように進めていくかを解説します。
水素化社会の実現に向けて日本のみならず、欧米、中国も動き始めていますが、電力は再生可能エネルギー製造に転換し、余剰電力で水素を製造するという戦略では、全ての産業にグリーン燃料を供給することはできません。そこで水素を原料とした燃料の開発動向についても併せて解説します。
  1. 気候危機の連鎖がいよいよ始まる
  2. 世界各国・地域のCO2排出量推移 皮肉にもコロナ下でCO2は5.8%減
  3. 世界の1次エネルギー消費とCO2の45%削減に向けたグリーン燃料への転換
  4. 各国・地域の電力構成の現状とCO2の45%削減に向けたグリーン燃料への転換
  5. 化石燃料は無限ではない。迫りくる化石燃料危機回避のためにもグリーン燃料が必要
  6. 日本の1次エネルギー構成 ―88%は化石燃料で大半を輸入依存―
  7. 自動車を含めて全ての産業におけるグリーン燃料転換戦略とは
    ─全ての産業のCO2削減は、燃料のグリーン化で決まる─
  8. 再生可能発電専用プラントによる水素大量生産および水素由来のe-fuel、メタネーション、アンモニアなどカーボンニュートラル燃料の製造
  9. メチルシクロヘキサン(水素キャリア)製造の技術動向
2. 世界の新車販売台数予測と各国政府のCO2基準および電動化戦略の妥当性
各国政府は、EVとPHEVを政策的に誘導するも、その販売は多額な補助金とメーカー救済措置ともいえる優遇措置に支えられていることが明白となっています。また、2030年に向け、彼らが掲げたCO2基準値も、現時点では気候行動サミットで提示された「ここ10年で45%削減」を意識したものにはなっていません。欧州主要国(ドイツ、英国、フランス)、米国カリフォルニア州、中国、日本は2030~35年にエンジン車廃止を表明していますが、確固たるエネルギー戦略と技術の完成度を考慮してこのような表明に至ったかは、はなはだ疑問です。政治的パフォーマンスではなく、CO2削減にしっかりつながる施策の検討が必要です。
ここでは、こうした背景について解説します。
  1. 各国・地域の自動車販売台数と主要メーカーの販売台数推移
  2. 2030~50年の世界の自動車販売台数予測とその根拠
    地球温暖化に伴う自然災害多発、今後予想されるパンデミック(世界的大流行)の影響が大
  3. ここ10年でCO2削減45%に対し、各国・地域のCO2基準値強化は妥当か?
  4. 各国政府の自動車の電動化表明とCO2基準値に整合性はあるか?
3. 各国・地域の自動車メーカーの戦略と現状
各国の主要自動車メーカーの中で、2030~35年にかけてエンジン車廃止を表明しているのは米GMとホンダ、ドイツDaimler(ダイムラー)で、VWやBMW、トヨタ自動車などはHEVを含めて電動車を拡大すると表明するも、エンジン車廃止とまでは言及していません。なぜなら、エンジン車やHEV、PHEVでのグリーン燃料(バイオ、e-fuel)を想定したCO2の大幅削減を考えているからです。
現時点の主要メーカーの電動化率は、日本メーカーのHEV比率が10~26%に達しているにもかかわらず、EV路線を声高に表明するVWでさえ、EVとPHEVで10%にも達していません。
欧州連合は2021年からのCO2規制の強化にともない、対応に苦慮する自動車メーカーにさまざまな救済措置を行った結果、EVやPHEVの販売が拡大し、中国でも補助金廃止の駆け込みと超小型EV(LSEV)の拡販で世界全体での販売比率は8.1%まで拡大しました。しかし、今後は中国をはじめとする補助金の廃止などにより、販売は鈍化するものと予想します。世界最大の自動車生産国であり、NEV(新エネルギー車)規制でダブルスタンダードを課す中国政府は、開発にあえぐメーカー要請に応えるため、EV一辺倒からHEV路線に舵(かじ)を切りました。広州汽車や吉利汽車はトヨタ自動車からのシステム供給により、HEV開発を進めて近日中に販売することが予想されます。
WtWやLCAを踏まえたCO2削減を考えると、保有車にも効果のあるバイオ燃料やe-fuel拡大に目を向け、CO2の45%削減の道筋が見えるエネルギー政策を第一に検討する必要があります。ここでは、こうした背景について解説します。
  1. 各国主要メーカーの電動化戦略と現状の電動化比率 ─乖離(かいり)が非常に大きい─
  2. EVとPHEVに傾注する欧州メーカーの苦境と救済措置とも言える優遇措置を連発する欧州連合
  3. 補助金に大きく左右される中国のEVとPHEV販売
    ─EVとPHEVの販売は補助金頼みであることが見えてきた─
  4. 中国のEV登録車の半数を占めるLSEV(低速EV)の動向
  5. EVに傾注してきた中国がHEV拡大に舵切り
    ─日本メーカーにとって追い風、他国と比較して現実的なロードマップを描く─
  6. 各国政府のEV補助金、税制優遇の現状と今後の動向
4. あるべき技術戦略と各種技術課題
 ─エンジン車廃止、EV拡大が正しい戦略か?─
営業戦略とは各国・地域のニーズと環境に十分配慮されたものでなくてはいけません。また、それを実現するために技術戦略は立てられるべきであり、あくまでも技術者の独りよがりではなく、顧客目線で受け入れられるものでなくてはいけません。EVはコストが高い、重い、航続距離が短い、インフラが不十分、WtWやLCAを踏まえたCO2を見るとHEVに対する優位差がないなど、なぜEVを推進するのか疑問を抱かざるを得ない課題が山積みです。例えば、欧州の電動車ではHEVが最も販売されています。多くの補助金が付けられ、顧客に使用性の観点で負担を強いるEVよりも、補助金のないHEVが売れているのです。実質的な環境性能と、顧客目線で開発された製品でない限り“市民権”は得られないというわけです。ここでは、次世代自動車(xEV)の展開の優先順位と対応すべき技術課題について解説します。
  1. 自動車開発を取り巻く環境
  2. 自動車開発における各種対応技術の俯瞰
  3. xEV展開に向けた優先順位とその根拠
  4. エンジン改良技術動向と目指すべき熱効率
  5. 電気自動車の技術動向
  6. 電池性能、電池コスト、車両重量、航続距離
  7. 電池の開発動向 Liイオン電池、個体電池
  8. 電動システムの効率改善とエネルギー収支(冬場の航続距離の低下の理由)
  9. 日本政府の2030年の新たな電力構成 排出係数45%削減に未達
  10. EVとHEVのWtW、LCAでのCO2比較
    ─ガソリン使用のHEVに対するEVの優位性はない。e-fuel・HEVでWtWゼロも実現可能─
  11. カーボンフットプリント
  12. 各国政府が早急にまとめるべき政策とは?
  13. エンジン車、xEVの得失比較と総合的な技術完成
5. 自動車の全方位開発と燃料/エネルギーのグリーン化を同時進行で加速すべし
自動車のCO2排出量は2010年比で2030年までに45%削減する必要があり、その対象は新車ではなく、世界の保有車のCO2を45%削減するということになります。2020年の世界の新車販売は8000万台ですが、保有車は12億台です。このことから、CO2の45%削減を実現するためには既販車のCO2削減が必要となり、現在使用しているガソリンや軽油にグリーン燃料を混合しなければなりません。バイオ燃料やe-fuel、メタネーションなどは、既存のガススタンドが使える上に、エンジンの改良も不要です。技術開発としての電動化検討は必要ですが、それで気候危機を回避するためのCO2削減ができるかというと「ノー」です。平均気温上昇を1.5℃以下に抑えるためには、2050年のカーボンニュートラルよりも、2030年の45%削減のハードルが非常に高いということです。
ここでは、講師の作成した燃料のグリーン化も含めた自動車のシナリオと、それによる2030年CO2削減目標達成の可否、および追加で検討すべき項目について解説します。併せて、EV販売に伴う、風力発電増設の規模や、ガソリンや軽油をe-fuelで代替する場合の必要水素量についても解説し、それぞれの実現可能性について解説します。
  1. 電動車導入の優先順位
  2. 世界の2050年に向けたエンジン車、xEVの構成比率と保有車に占めるxEV比率
  3. 2を基に試算した、2030年、2050年のWtWでのCO2削減率
  4. 石油消費削減量とグリーン燃料(微細藻類バイオ、e-Fuel)の必要量
  5. 主要国の2030年における、あるべきエンジン車、xEVの構成比率
  6. 世界2大巨頭であるVWとトヨタの戦略の妥当性と違い
6. 1.5℃以下を達成するために、政府、産業界が早急になすべきことは?
自動車産業のみならず、全ての産業は、これまで使用してきた化石燃料をグリーン電力や燃料に転換していく必要があります。政府は、近視眼的に自動車の電動化を叫ぶ前に、国家戦略として最も重要なエネルギー政策を立案すべきです。自動車の場合は特に保有車のCO2削減を図る必要があり、EVやFCVを増やしても2030年の保有車のCO2の45%削減は不可能であることに早く気付いてほしいと思います。これは電力行政でも同じことが言えます。日本はCO2削減に関わる特許数や水素関連技術に関わる特許数は世界一です。政府は、確固たるエネルギー政策の下で、優れた技術を持つ関連企業の開発を後押しする責任があります。残された時間は10年もないという緊迫感を政府や産業界は持たなくてはいけません。自然災害の多発と、今回のパンデミックによって経済は大きな打撃を受けましたが、これで終わりではありません。温暖化対策が進まなければこれらの脅威は増幅するばかりで、経済成長どころではなくなります。石油生産量もピークアウトして今後は減産が進みます。東京一極集中があまりにも脆弱であることは明白ですが、声を上げるだけで全く進んでいない地方創生にからめて、地方分散を加速する必要があります。地方都市のスマートシティー化の中でデジタルトランスフォーメーション(DX)を駆使し、エネルギーの地産地消、エネルギー消費削減の推進も必要となります。ここでは、街づくりの観点から、自動車を含めた全ての業態のエネルギー消費/CO2削減について解説します。
  1. 日本連合(政府、産業)で2030年CO2の45%削減に対応すべし
  2. モビィリティーを軸とした自動車産業の将来戦略
  3. 2030年における、グリーン燃料転換も含めたエンジン車とxEVの車両カテゴリーごとのすみ分け
  4. Smart Cityの狙い
  5. トヨタの「ウーブン・シティ」構想(富士裾野2021年2月着工)の狙い
  6. CASE/MaaSの技術動向
7. まとめ
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