日本国内で発生する労働災害の約1/3 を占める建設業界では、作業現場における災害の削減が大きな課題となっています。A社でも安全対策には十分に配慮をしてきましたが、災害がなかなか減らないために抜本的な安全改革の必要性を感じていました。そこで注目したのが、異分野である機械業界における安全技術です。これは、建設現場のような人の注意に頼る安全ではなく、「人はミスをする」「機械は壊れる」ことなどを前提に、機械や設備の安全化を図るもの。ただし、機械分野で構築された安全技術のため、建設現場への導入・浸透に当たっては全く馴染みのない「用語」という高いハードルがありました。

機械業界のノウハウをアレンジして教材に

A社からは、機械分野の用語や事例などを、建設分野の人たちが分かるように“翻訳”した安全教材を制作して欲しいと相談がありました。日経BP総研には、建設分野向けの『日経コンストラクション』や製造業向けの『日経ものづくり』の元編集長といった業界に精通した研究員がそろっています。そうしたスタッフが中心となり、同社の安全推進担当者と会議を重ね、安全教材の骨格を固めていきました。加えて、安全の専門家の協力を得て、同社の幹部や現場所長など約30人を交えたコンサルティングを実施し、安全に関わる課題を抽出・整理。そこで明らかになった現状を踏まえつつ、「新・建設安全」と題した安全教材を制作し、建設現場への導入を図っています。さらに同社とは、安全性と生産性を両立する、より高度な安全技術の導入を検討するなど、安全をベースに建設業界全体の発展をともに目指していきたいと考えています。

  • 機械業界の安全ノウハウを建設現場に応用できた
  • 経営幹部、安全推進担当者の安全意識の変革につながった