国土交通省は、住宅業界におけるAI活用の可能性を模索していました。減少傾向にある新築住宅の増加や業務の生産性向上につなげるのが狙いです。しかし、国土交通省は、AI業界との接点が薄いという課題がありました。そこで、この2つの業界での豊富な人脈と、専門用語や業界常識が異なる2 つの業界をよく理解する組織による、AI活用施策立案サポートを必要としていました。

各業界の異なる課題を整理し、研究会で議論

公募事業を受託した日経BP総研のビジネスAIセンターは、最初に住宅業界従事者に対して大規模アンケートを実施。建築情報誌『日経アーキテクチュア』などの読者を対象に、約440の回答を集め、現場の課題を吸い上げました。その上で、国土交通省を交えたAIについての勉強会や、アンケートで洗い出した課題の整理と解決策について検討する研究会を開催。AI業界で先進的な活動をしている東京大学の鳥海不二夫准教授や業界トップクラスのICT企業6社、建築・住宅業界企業14 社を招へいしました。また、日経BP総研ビジネスAIセンターがファシリテーションを担当し、異なる業界同士でも議論がスムーズに進むようサポート。その後、参加したICT 企業には、AIを用いた課題解決策を提案してもらいました。一例として、AIが顧客の好みに合わせて住宅の設計図を提案する画像認識技術を用いたソリューションの実証実験を開始することが決定。当初の「AIを活用したい」という漠然とした課題から、新規事業の創出に向けて、大きな一歩を踏み出しました。

  • 業界の課題を洗い出せた
  • 専門用語や"常識"の異なる業界同士の議論が進んだ
  • AI技術を活用したソリューションの実証実験を開始