本特集では、『オブジェクト指向でなぜつくるのか 第3版』から「第1章 オブジェクト指向はソフトウエア開発を楽にする技術」の抜粋をお読みいただけます。

●ウォーミングアップ

 本文を読む前に、ウォーミングアップとして以下のクイズに挑戦してくださ い。

 次の中で「オブジェクト指向」というコンセプトを最初に提唱したアラン・ケイ氏の述べた言葉はどれでしょうか。

ア. プログラムモジュール、アイコン、データベースをはじめとして、森羅万象はすべてオブジェクトで表現できる
イ. 万物が流転するように、プログラミング技術も流転する
ウ. IT 業界における革新的な技術のほとんどは1970 年以前に発明されている
エ. 未来を予測する最善の方法は、それを発明することである

●答え

エ.未来を予測する最善の方法は、それを発明することである

●解説

 オブジェクト指向の起源は1967 年にノルウェーの2 人の技術者が開発したSimula67(シミュラ67)というプログラミング言語にさかのぼります。その後この言語の仕組みは、米ゼロックス社に在籍していたアラン・ケイ氏の率いるチームが開発したSmalltalk(スモールトーク)に引き継がれ、オブジェクト指向というコンセプトとして確立しました。アラン・ケイ氏の業績はそれだけにとどまらず、GUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)の発明や、パーソナル・コンピュータのもとになった「ダイナブック構想」の提唱など、IT 業界に多大な貢献をしています。

 「未来を予測する最善の方法は、それを発明することである("The best way to predict the future is to invent it.")」という言葉は、会社の経営陣から研究内容の将来予測をしつこく尋ねられたときのケイ氏の回答だそうですが、革新的な技 術コンセプトを数多く提唱したケイ氏だからこそ言えるセリフでしょう。



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