インターネットを使ってコンピュータの資源であるハードウエア、OS、アプリケーションを利用することを「クラウド(クラウドコンピューティング)」と呼びます。クラウドは、提供されるサービスによって、SaaS(Software as a Service、サース)、PaaS(Platform as a Service、パース)、IaaS(Infrastructure as a Service、イアース)*1 に分類されます。大雑把に説明すると、SaaS はアプリケーションを提供し、PaaS はOS を提供し、IaaS はハードウエアを提供します。

 SaaS、PaaS、IaaS の中で、PaaS とIaaS は、プログラムの実行環境です。PaaS は、OS を提供するので、その上で、私たちが作ったプログラムを実行できます。IaaS は、ハードウエアを提供するので、その上にWindows やLinux などの任意のOS をインストールして、さらにその上で、私たちが作ったプログラムを実行できます。

 PaaS とIaaS の例として、マイクロソフトが提供しているMicrosoft Azure(アジュール、「空色」や「青空」という意味)を紹介しましょう。Microsoft Azure の実体は、マイクロソフトが持つ強大なサーバー群です。これらのサーバー群の機能を、インターネット経由で部分的に借りて利用するのです。Microsoft Azure の料金計算ツールのWeb ページ*2 を見ると、PaaS とIaaS の具体的なイメージがつかめるでしょう(図7-7)。

 このWeb ページで仮想マシン*3 の料金を計算するときには、OS の種類としてWindows またはLinux が選択でき、ハードウエアのスペックとしてCPU の数、メモリーの容量、ハード・ディスクの容量を選択できます。これらの選択に合わせて、マイクロソフトの強大なサーバー群の中に、仮想的な実行環境が作られるのです。

*1 IaaSのことをHaaS(Hardware as a Service、ハース)と呼ぶこともあります。

*2 https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/calculator/

*3 この仮想マシンは、任意のOSと任意のスペックのハードウエアから構成されたものです。実際にコンピュータが作られるわけではなく、仮想的な実行環境が作られるだけなので、仮想マシンなのです。