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水害列島日本の挑戦

ウィズコロナの時代の地球温暖化への処方箋

価格 2,420円(税込)
ISBN 978-4-296-10753-7
発行日 2020年11月24日
著者名 気候変動による水害研究会(著),日経コンストラクション(編) 
発行元 日経BP
ページ数 184ページ
判型 A4

※電子書籍は価格や一部内容が異なる場合がございます。

内容紹介

2018年の西日本豪雨、19年の房総半島台風や東日本台風、そして20年に九州を中心に襲った7月豪雨--。ここ数年、水害の激甚化は極めて深刻な問題となってきました。地球温暖化の影響を受けているとみられる気候変動が、激しい気象災害をもたらしているのです。これまでであれば何年、いや何十年に1回とみられるレベルの気象が、毎年のように襲い来る時代は、近未来の話ではなくなり、既に現実となってしまったのです。

山地が多く、人々の生活や経済活動の拠点が沖積平野に集まる日本では、地形の制約を受けて、治水インフラが他の先進国に比べて脆弱な水準にあります。本書では、防災や減災において山積する課題と、その課題を乗り越えるために必要な取り組みについて、日本を代表する治水の専門家たちが分かり易く解説しています。

これからの水害リスクを踏まえ、ハード、ソフトの両面で日本のインフラがあるべき姿を社会に提示した1冊です。図や写真を豊富に使っており、建設行政や設計や施工といった建設生産、維持管理などインフラに関わる仕事に従事する方だけでなく、一般の方にも分かりやすい内容となっています。

水害は、社会的な面でも経済的な面でも、日本の巨大リスクになっています。本書は、国民がこのリスクとどのように向き合い、どのように乗り越えていくのかを改めて考える際の一助となるはずです。

■目次
1章 激甚化が止まらない
広域に降る猛烈な雨
 平成30年(2018年)7月豪雨(西日本豪雨)
 令和元年(2019年)東日本台風(台風19号)
 令和2年(2020年)7月豪雨
暴風・高潮をもたらす台風
 平成30年(2018年)台風21号
 令和元年(2019年)房総半島台風
 〔コラム〕東日本台風での草木ダムの事前放流
地球規模で異変が頻発
 近年の世界の水害
 世界の水災害の発生状況

2章 異常気象の発生と地球温暖化
異常気象の発生状況
 豪雨災害をもたらす異常気象
 気温の変動
 降水量の変動
 海面水位の変動
 〔コラム〕地球温暖化に伴って増加する様々な災害リスク
温暖化に対する国際社会の動き
 国連IPCC第5次評価報告書
 パリ協定
 ICPP1.5℃特別報告書とCOP25
日本における緩和策と適応策
 気候変動を踏まえた国内の諸政策
 
3章 深刻化する災害リスク
激変する発生形態
 相次ぐ気象、出水、高潮の記録更新
 広域でおびただしい河川の氾濫が発生
 バックウオーター現象と内水氾濫
 堤防の背後から越水破堤
 相次いだ土砂・洪水氾濫
 〔コラム〕カスリーン台風による未曽有の被害
多様な被災形態
 氾濫が誘発する多種多様な被害
 強風が誘発する多種多様な被害
 下水道施設の機能不全
 新たなニーズに応えて繰り返される水防法改正
 浸水被害で経済に大打撃
 “逃げない”問題が浮き彫りに
 要配慮者を救え
 難しい広域避難
 緊急放流、その時ダムに何が
 土砂災害や洪水氾濫が招く交通途絶
 〔コラム〕首都圏の大河川で想定される洪水氾濫

4章 防災・減災への針路
治水の技術理念
 世界有数の難度抱える日本の治水
 水害リスクカーブ
 治水の技術理念の根幹
 組み合わせで挑む「流域治水」
 氾濫耐性の向上に不可欠な地域の力
 気候変動影響への備え方
重み増す事前防災と成功事例
 継続的な治水対策で救われた利根川
 過去の治水投資が実を結んだ神奈川県
 「狩野川台風の再来」で起きたこと
 大阪湾三大水門等による高潮防御
 下水道施設で内水氾濫抑える
 土石流災害の防止
 避難により土砂災害から命を守る
 ハード・ソフトの一体化で効果
 鉄道の計画運休で安全を確保
 機関連携した広域避難を実現
今後進めるべき取り組み
 「流域治水」への転換
 越水しても粘り強い堤防
 〔コラム〕「基礎地盤及び堤体との一体性及びなじみ」の意味
 既設ダムの有効活用
 下水道の都市浸水対策
 土地の使い方や建物構造の工夫
 土砂・洪水氾濫対策
 タイムライン、マイ・タイムラインの整備と実践
 国土強靱化の推進と市町村計画の策定
 地区防災計画の作成と取り組み支援
ウィズコロナ時代の対応
 パンデミックと自然災害
 新型コロナに対する建設業の取り組み
 ウィズコロナ時代の備えと課題
 〔コラム〕命と心をつなぐ「一文字15箇条」
取り組み推進のために
 治水事業予算の確保
 中長期計画の必要性
 被災・避難情報の伝え手の育成と充実
 技術の研究開発推進とその社会実装
 行政部門と研究部門の連携・協働

5章 実現に向け総力を挙げよ
実現のための体制づくり
 「自助・共助・公助」の機能向上を
 TEC-FORCEの活動
 民間団体、企業による支援(建設産業)
 民間団体、企業による支援(運輸産業)
 〔コラム〕最近の災害における建設産業の活躍
 〔コラム〕災害を経て進化した建設産業の防災体制
 水害から地域を守る「水防団」
 災害に屈しない地域を目指す自助の動き
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