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官邸vs携帯大手 値下げを巡る1000日戦争

価格 1,980円(税込)
ISBN 978-4-296-10734-6
発行日 2020年10月12日
著者名 堀越 功 著
発行元 日経BP
ページ数 216ページ
判型 4-6

※電子書籍は価格や一部内容が異なる場合がございます。

内容紹介

菅首相の目玉政策「携帯値下げ」、変わらない市場の奥底に呪縛がある!

「携帯料金は四割程度引き下げる余地がある」--。菅義偉新首相が官房長官時代から力を入れる携帯の値下げ。しかし国民の多くは値下げを実感するに至っていません。13年ぶりの新規事業者となった楽天の携帯参入、大幅な減益覚悟で値下げを決断したNTTドコモ、今度こそ市場を変えようと劇薬の「完全分離」導入に踏み切った総務省、ソフトバンクとKDDIによる瀬戸際の攻防。それでもなぜ市場は変わらなかったのでしょうか。

本書は、そんな官邸と携帯大手の過去1000日の攻防を最前線で取材した著者がその裏側に迫り、携帯電話市場の課題を浮き彫りにしました。国民が納得するような携帯料金を実現するにはどうすればよいのか。著者は、市場を取り巻く「大手三社体制」「囲い込み」そして「月額収入」という三つの呪縛を解くことで、初めて実現すると語ります。本書の内容は菅新政権の次の一手を探る上でも欠かせないでしょう。

■目次
約1000日に及んだ官邸と携帯大手の攻防

序章 不発に終わった「四割値下げ」
 「携帯料金は四割引き下げる余地がある」
 約六割の消費者が携帯料金を「高い」
 1000日の攻防の結末、「まだまだ不十分」
 解けなかった「三つの呪縛」

第1章 「常識外れ」な挑戦者
 わずか6000億円の設備投資額
 これからは後発有利
 MVNOはMNOの奴隷だ
 異例の条件付き認可
 インドから来た「チェ・ゲバラ」
 「敵の敵は味方」でKDDIとタッグ
 素人集団が「常識」を軽視
 10月1日は、大山鳴動して鼠一匹
 古参幹部退社で不協和音
 一本足打法の賭け、「二台目需要」にとどまる
 無料キャンペーン終了後に問われる真価

第2章 「こんなもんじゃねえだろ」
 破壊者、澤田新体制
 月1000円値下げで6000億円減収
 二~四割値下げ、年4000億円還元
 改正法施行前の見切り発車
 「ギガホ」「ギガライト」発表、他社は動かず
 4000億円はどこへ消えた
 皮肉にも非通信で激しい競争
 語られなかった会員戦略の真の狙い
 成長分野でドコモは他社に見劣り
 「黒船」が来て初めて変わる体質

第3章「完全分離」官邸・総務省の覚悟
 包括検証開始と同時に官房長官の「四割」発言
 「分離」ではなく「完全分離」
 行き過ぎた端末割引、市場をゆがめた10年
 アップルとの間に結ばれた「不平等条約」
 緊急提言に激震、ソフトバンクとKDDIは猛反発
 違約金と割引上限額の着地点探る
 官邸激怒、突如舞い降りた「違約金1000円」

第4章 改正法施行前夜 瀬戸際の攻防
 楽天待ちで大手三社が駆け引き
 大手初の縛りなし、違約金なしプラン
 楽天肩透かし、ソフトバンクに批判集まる
 ソフトバンクに追随したKDDI、火に油を注ぐ
 SIMロック即時解除へ、消費者庁も注意喚起
 事業者の創意工夫をないがしろにする
 そして店頭からにぎわいが消えた

第5章 座して死を待つのか
 端末販売減がショップの経営直撃
 ショップを縛る評価指標
 新型コロナで来店者六割減
 脇役になった格安スマホ
 総務省は見捨てていなかった
 大臣裁定で格安スマホの弱点解消
 初の格安スマホ純減も、活路はIoT

第6章 出遅れた日本の5G 逆境の船出
 都心の生活圏内でつながらず
 新型コロナウイルスで出はなくじかれる
 高価な5Gスマホも足かせに
 最大のライバルは4G、携帯大手のジレンマ
 米中韓に出遅れ、日本は国際評価で一三位
 2020年秋からエリアを一気に拡大
 速度が出ない「なんちゃって5G」
 NTTドコモの苦しい事情
 大手二社がタッグ、きっかけはMWC帰国便
 NTTが呼びかけも疑念拭えず
 真の5G「SA」は2021年度に
 日本勢は何が足らなかったのか
 オープン化の波に日の丸連合

第7章 解けなかった呪縛
 抜け穴を塞ぐほど競争停滞
 消費者は合理的に動かない
 政策立案のための指標不在
 普通の産業、普通の行政に転換せよ
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