2018年5月28日に、「企業力を高める中高年社員の活性化 ~人生100年時代のキャリア教育~」で全体のファシリテーションと、プログラム第3部の講演を担当しました。この講演は、実は私が主催するダイバーシティ&インクルージョン研究会(http://diwo.jp)で、昨年11月に50名の会場が満員御礼になった講演の内容と同じものです。

■プログラム
【第1部】 役職定年制度を考える(本人の本音、会社の悩み) 役職定年経験者
【第2部】 50代からの再就職、転職事情(現実の厳しさ)
      キャリアコンサルタント 山岡正子
【第3部】 50歳からの幸せなキャリア  植田寿乃

 今回の参加者30名の男女比率は、男性が7割近くでした。経営層、人事・人材育成、ダイバーシティ推進の担当者が対象。50代の方が70%以上で、自分自身がまさに当事者という方が多く参加されていました。「50代の当事者である男性がどんな反応をするのか」が私にとって最大の関心事でした。彼らの反応に50代男性たちの縮図を見たような気がします。

役職定年がなくなる……年功序列的昇格制度の崩壊を意味する

 「定年が65歳までに延長になっているなかで、役職定年も延長になるという政府の施策などはないのでしょうか? そういう情報があれば教えてほしい。『役職定年を撤廃し延長しろ』などはないのでしょうか?」。

 第1部が終わった時点で、本人自身も近い将来に役定年齢に達すると思われる男性からの質問です。

 「私たちはそのような情報を持っていません。ただ、専門家としていわせてもらえば、世の中の流れは役職定年が早まる(50歳前後)または、役職定年という概念をなくし、役職に見合う仕事ができないという時点でいつでも降格になる、という実力主義になっていくはずです。若手を育て成長させるためにポジションが必要であることと、高額給料になった50代管理職を養い続ける企業体力がある会社はほとんどありません。企業が人材の観点で投資したい対象は若手ですから」。

 私はこんな答えをしました。質問者の顔が曇ったことはいうまでもありません。昭和時代に年功序列で管理職ポジションに就いた男性にとっては、未来を踏みにじるような答えになったかもしれません。しかし、それが今の時代の流れです。私が体感してきた、多くの企業の実情です。その事実にしっかり向き合ってほしいので、オブラートに包んだり、意味のない希望を持たせたりするような答えはしたくありませんでした。

人生100年時代のキャリアカーブ

 今働いているバブル世代、50代の管理職の方々のなかには、昭和のキャリア直線を信じ続けている人が多いことに本当に驚きます。信じ続けたいという人が多いといった方がいいかもしれませんが。一方、年功序列の昇格レースに乗れなかった非管理職の50代は、キャリア直線は信じていないけれど、敗北感を持ったままモチベーション低迷状態が続いている人も多い。

 人生100年となり、定年が65歳まで延長されるなか、キャリア直線は大きく変化しました。経験値、体力&気力が充実している30~40代こそが職位も重くなる時期、管理職の時期です。では40代で課長や部長など管理職になった人は、どうなるのか? 50歳を機に、昇格する人は激減します。つまり「キャリアの登山」をする人は、役員ポストになる人くらいで非常にまれです。