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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える後期臨床研修医へのメッセージ 〜静岡県立総合病院のメンターから〜 第3回

後期臨床研修医へのメッセージ 〜静岡県立総合病院のメンターから〜 第3回

静岡県立総合病院 循環器病診療部部長 坂本裕樹 氏

2018.08.21 構成:21世紀医療フォーラム取材班

初期臨床研修を終了した後、県立3病院の各診療科で専門分野の基本となる知識と技術の習得を目指すのが、後期臨床研修医(卒後3年以降)である。静岡県立総合病院の各科のメンターから、後期臨床研修医へのメッセージをお届けする。

心臓の解剖を理解した上で操作を学ぶ
困難な治療でもやり切る実力を身に付ける

まず、循環器内科の特徴と循環器内科医の役割について教えてください。

坂本 当病院の循環器内科は地域の中核施設として日々、救急を含め数多くの重症患者が運ばれてきます。重要なのは、循環器内科医として、救急搬送された患者さんへの初期対応ができることです。

最近では循環器内科といっても、不整脈を専門にする医師、冠動脈インターベーションといった虚血性心疾患を診る医師、さらに近年増えてきた弁膜症を中心とした構造的心疾患に対する治療などを行っています。このように非常に循環器内科は幅広い領域をカバーしていますが、後期臨床研修では、その人の特性や希望も聞いて、どの道に進んでもらうかを決めます。

ご自身が研修医だった当時はいかがでしたか。また、医師としてのやりがいは何でしょうか。

坂本 自分の若い頃を思い返すと、生きるか死ぬかという状況で運ばれてきた重症患者に対して様々な薬物療法をはじめ、治療を提供することによって劇的に患者さんが回復する。そのときに患者さんから感謝されることが、医師として1番大きなやりがいになっていると思います。同時に、患者さんにとってベストな治療とは何かを常に考え選択することで、徐々に自分自身のステップアップにもつながっていったと感じます。私自身もこのようにして経験を積んできましたし、後期臨床研修医の皆さんにもぜひこうした経験をして欲しいと思います。

循環器内科と心臓外科とのチーム医療も重要ですが、そのあたりの連携についてはいかがですか。

坂本 当病院の循環器内科心と臓外科の関係は極めて良好です。はじめに私たち循環器内科が診察することが多いですが、患者さんの状態、リスクなど、様々なことを評価し、心臓外科とも協議をした上でエビデンスに基づいた最適な治療を提供していますし、それが学べることが良いところだと思います。

重症患者に対する治療方針は、当日朝に決定しなければ後手に回ってしまうため、科長である私が日々チェックをし、今日行うべき検査や治療を主治医とディスカッションしています。そこに後期臨床研修の先生にも参加してもらい、心電図やエコーなど、様々なデータをみてもらって、それをどう解釈するのか。あるいはスワンガンツカテーテル(肺動脈カテーテル)などのようにカテーテルを留置されている患者さんに対し、その血行動態をどう判断するのかといったポイントをレクチャーしています。

後期臨床研修医への対応について、坂本先生が心がけていることはありますか。

坂本 薬物療法にしても、カテーテル治療にしても、患者さんに提供する根拠を示すようにしています。私は若い頃、あまり器用ではなく、手術前に緊張することも多かったため、うまくカテーテルが入れられないことに悩んでいました。しかし、循環器内科医をやっていく以上はカテーテルをしないわけにはいかず、目の前にいる重症患者を救うためにもそこを克服しなければいけないと思って学んできました。ようやく自分の手技にも自信が持てるようになり、他病院のトップの先生にも負けないレベルに達することができたと思っています。

何となく感覚でやるのではなく、心臓の解剖を十分理解した上でカテーテル操作等を学び、私のやり方を修得してもらえれば、たとえ困難なケースであっても最後まで治療をやりきる実力は十分に身に付きます。そして、それが当病院で学ぶメリットだと考えています。

第3回終わり(第4回に続く)

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