リポート

記事一覧

スポーツ庁推進の「FUN+WALK」、MBT研はこう実践する

「MBTウォッチ」と「バイタル計測Tシャツ」を身に着けてウォーキング

伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス【2017.12.21】

「日経デジタルヘルス」2017年12月12日付の記事より

 スポーツ庁は、歩くことを促進する「FUN+WALK PROJECT」を始動する。歩きやすい服装での通勤を促したり、いつもより多く歩きたくなるような仕組みを提案したりするプロジェクトである。

 プロジェクトの本格始動は2018年春。それを見据えて、参加する企業や団体が2017年12月6日にそれぞれトライアルを実施した。

 トライアルには、三菱地所や東京急行鉄道、キャスレーコンサルティング、福井県庁などが参加した。キャスレーコンサルティングでは椅子の代わりにバランスボールを使って業務を行い、福井県庁はデパートや靴屋に歩きやすい靴の特設コーナーの設置を呼び掛けるなど、各社が独自の工夫を凝らした取り組みを展開した。

 このトライアルの舞台の一つとなったのが、医学を基礎とするまちづくりを推進する奈良県立医科大学MBT(Medicine Based Town)研究所である(関連記事)

奈良県橿原市今井町で実施されたウォーキング
[画像のクリックで拡大表示]

MBT研が取り組んできた各種ソリューションを融合

奈良県立医科大学 理事長で学長の細井裕司氏。MBTウォッチを身に着けて
[画像のクリックで拡大表示]
 MBT研究所のトライアルでは、同研究所で開発した「MBTウォッチ」と「バイタル計測Tシャツ」を身に着けてのウォーキングを実施した。トライアルに参加した奈良県立医科大学 理事長で学長の細井裕司氏は、「かねてMBT研究所で行ってきた取り組みに、FUN+WALKを重ね合わせることで相乗効果を図りたい」と期待を述べた。

MBTウォッチ
[画像のクリックで拡大表示]
 MBTウォッチでは、歩数を測定することができる。連動するスマートフォンアプリでは、グループ内のランキングが表示される。「駅のサイネージに地域のランキングを表示して住民の意識を高めることも検討している」と奈良県立医科大学 産学官連携推進センター 教授の梅田智広氏は語る。

 さらに、MBTウォッチでは、地域の気象情報やライフビジネスウェザーが手掛ける健康アドバイスサービス「健康みはり」の情報を受信することもできる。熱中症指標などにも対応でき、「今日は歩くのは、午前中までにしておいたら」などとメッセージを送ることも可能だ。

 バイタル計測Tシャツは、ドライ電極を装着したTシャツで、位置情報と心拍数を測定することができる。交感神経と副交感神経のバランスを見ることができるため、リラックスしているかどうかを検知できる。

バイタル計測Tシャツ
[画像のクリックで拡大表示]
バイタル計測Tシャツ着用イメージ。インナーとしても使える
[画像のクリックで拡大表示]

「地域に合わせた取り組みが必要」

 厚生労働省の調査によると、1日の平均歩数には地域特性があることが分かっている。1日の平均歩数を全国の都道府県で比較すると、「奈良県は全国平均を下回っており、秋田県に住む女性が最も少ない」と梅田氏は話す。一方、東京都の女性は車社会でないことなどからよく歩いているという。

都道府県別の歩数データ
[画像のクリックで拡大表示]

 こうした格差は、ますます広がるものと考えられる。そこで、「単に歩こうというのではなく、地域の特性に合わせた取り組みが必要だ」と梅田氏は語る。

この記事のURL https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/PPP/report/121300101/