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官民連携によるAIやIoTの実証の場、広島県が構築

「ひろしまサンドボックス」に3年で10億円投資、渋谷区とも連携

山田 雅子=ライター【2018.5.25】

 広島県は5月17日、ソフトバンク、西日本電信電話(NTT西日本)、東京都渋谷区と連携し、AIやIoTなどの次世代技術を活用した実証実験を行う事業、「ひろしまサンドボックス」をスタートした。既存産業やITのスタートアップベンチャーなどの企業と人材、自治体、大学などの持つアイデアや技術、ノウハウを持ち寄り、掛け合わせることで新たな商品やサービスなどのイノベーション創出を目指す。6月に第一弾として、この仕組みを活用して実証実験を行う事業の公募を実施する。広島県はこの事業に3年間で10億円を投資する計画だ。

ひろしまサンドボックスの活動イメージ(資料:広島県)
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 まず、産官学、法人、個人を問わず、広く情報交換を行える場として「ひろしまサンドボックス推進協議会」(以下、協議会)を設置。次世代技術に挑戦したいというプレイヤーのほか、既に技術を持っていて活用の場を求めるIT企業や研究機関、学術機関、および通信やインフラの事業者、ベンチャーキャピタルなどの投資家といった様々な立場の参加者を募り、情報交換やマッチング、プレーヤー企業への知見や技術の提供などを行う場とする。

 この中から組成された企業、団体、学術機関などによるコンソーシアムが、お互いのナレッジを共有して新たな事業を企画し、公募を経て実証実験事業として採択され、商用化や市場化を目指していくという流れになる。採択事業の実施費用は、広島県が負担する。

体制図(資料:広島県)
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 技術、ノウハウ、インフラ、人材などのリソースは、単体の企業や団体、個人で準備するには限りがある。そこで、ひろしまサンドボックスは、これらを持ち寄り、試行錯誤できる場として機能し、知見の蓄積を図ることで、地域課題や行政課題の解決をテーマとした実証実験へと発展させていくことを目指す。AIやIoT、ビッグデータ、インダストリー4.0などの次世代技術を活用した新しい事業の構想を具体化するために、広島県というフィールドと、データを蓄積・連携するIoTプラットフォームを実証実験の場として提供する。

 協議会への参加の申し込みは随時、受け付けており、実証実験事業の公募は、6月と9月に実施する予定だ。県が投資額として予定している10億円は、実証実験採択事業への助成を中心に、IoTプラットフォームの構築などの用途に使われる。

イノベーション立県を目指す3つの取り組み

 広島県はこれまでも、イノベーション立県を目指して産業とITを結びつける取り組みを実施してきた。既に2つの施設をオープンしている。1つが「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps」だ。起業や新規事業創出を目指す人が交流できる施設で、3Dプリンターなどを備え、ビジネス経験とネットワークを持つコーディネーターやアドバイザーが常駐している。様々なイベントも実施し、年間で延べ1万人が利用する。もう1一つが「ひろしまデジタルイノベーションセンター」で、スーパーコンピューターを共同利用できる施設だ。地域の製造業やIT企業、教育研究機関などが、技術的課題の解決を目的に利用する。

ひろしまサンドボックスのウェブサイト(http://hiroshima-sandbox.jp/)

 これら2つの施設に続く3つ目の取り組みが、ひろしまサンドボックスだ。「特徴は、事業の成功やリターンを前提としないこと」と話すのは、湯崎英彦・広島県知事だ。サンドボックスは「砂場」の意味で、文字通り、砂場で砂山を作っては崩すように、何度でも挑戦できる実験場として機能することを目指す。

 長期的には広島県への人材の還流や、新産業や賑わいの創出、実験を通じて得られる様々なビッグデータの活用といった効果を期待しているが、短期的な効果や目標は設定していない。「行政の取り組みとしては異例。通常、行政が手がけるプロジェクトは目標を定め、達成しなくてはいけないが、ひろしまサンドボックスは、そうではない。成功が目的ではなく、失敗してもいい。失敗を反映して改良するトライアンドエラーを繰り返し、誰もやっていないことに挑戦することに意義がある」(湯崎知事)。

 ひろしまサンドボックスに参加するソフトバンクとNTT西日本は、ネットワークや通信インフラ、各種ソリューションのほか、それらを活用できる人材の育成なども含めた包括的な技術支援の役割を担う。「ひろしまサンドボックスの構想があるという話をもらって、おもしろいと思い参加を表明した。IoTは元々、モノが通信でつながる技術。そこにはデータという新しい価値が生まれる。複数の事業から得られる複数のデータの価値が掛け算になると、さらに新しい価値が生まれる」。こう話すのは、ソフトバンクの副社長執行役員兼CTOの宮川潤一氏だ。将来的には広島県のIoTプラットフォームと、両社が各々持つIoTのプラットフォームなどをつないだデータ連携基盤も構築。複合的な価値を生み出し、新しいサービスの創出につなげていくことも視野に入れている。

ひろしまサンドボックスの将来像 (資料:広島県)
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