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都市の魅力を“動詞”で測る――「官能都市」提唱者の島原万丈氏

「第2回先進的まちづくりシティコンペ」シンポジウム リポート(2)

赤坂麻実=ライター【2018.4.19】

国土交通省は、「第2回先進的まちづくりシティコンペ」シンポジウムを都内で3月14日に開催し、国交大臣賞や特別賞を表彰した(関連記事)。特別講演では、LIFULL HOME'S 総研の島原万丈所長が登壇。「センシュアス・シティ(官能都市)」と呼ぶ都市の魅力を評価する独自指標について講演した。以下に講演の要旨をまとめる。

 
LIFULL HOME'S 総研の島原万丈所長(写真:赤坂麻実)
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再開発で街が均質化し続ける日本

 島原氏は、都市が再開発によって均質化していくことや、そうした再開発を経た郊外都市が「住みよい」街として高く評価される風潮に疑問を呈している。そもそも、日本で行われてきた再開発の源流は、20世紀に活躍した建築家のル・コルビュジエ氏にあると島原氏はいう。

 「コルビュジエは1925年、パリ改造計画をジオラマにしてパリ万博に出品した。道幅は広く、一つひとつの街区が大きく、その“スーパーブロック”に超高層のビルが建つ。街が用途ごとにゾーニングされていることも特徴だ。実はこの計画には航空機・自動車メーカーのヴォアザンが出資しており、要は自動車が走りやすい街の姿が描かれていた。この改造計画をその後、欧州各都市は採用していない。ところが、日本ではヴォアザン計画によく似た姿の再開発がフォーマット化した」。

 島原氏は、この再開発のフォーマットによって街から個性が失われ、街の魅力が低下していると指摘する。

「駅前に広場が設けられ、超高層ビルが建ち、その中・高層部には“良質な都市型住宅”が、低層部には公共施設が入る。超高層ビルに機能を集約したことで空いた足元のスペースには公園や公開空地、“快適な歩行者空間”が整備される。しかし、公開空地は実は市民活動に使いづらいものも多く、ほとんどはその敷地に建つタワーマンションの単なる“豪華なエントランス”と化している」

 島原氏は再開発のあり方だけでなく、そうした再開発が行われた郊外都市が上位に名を連ねるような都市評価のあり方にも異を唱える。「人口当たりの病床数や大型小売店店舗の面積など、施設が多いこと、広いことが良いとする拡大志向の評価が続いている。しかし、人口が減少しており、街をコンパクト化していくことに注目が集まっている今、拡大志向とは違う、都市の魅力を測る新しいものさしが必要なのではないか」。

「官能度」で街の魅力を測る

 そこで、島原氏が提唱する新しい指標が「官能度」だ。「官能」とは人間の感覚器官の働きを意味する。

 島原氏は新指標を考える上で、都市社会学者のリチャード・フロリダ氏や、都市計画家のヤン・ゲール氏の考えを参考にした。「イノベーションを起こし、経済を主導するようなクリエイティブ層は、大きなハコモノ(が建ち並ぶ街)に対する関心が低く、それよりも居心地がよく、質の高い経験ができ、多様性に寛容で、アイデンティティを発揮しやすい街を好む」というフロリダ氏の言説や、「街は人々が歩き、立ち止まり、座り、眺め、聞き、話すのに適した条件を備えていなければならない。これらの基本的活動は、人間の感覚器官や運動器官と密接に結びついている」「(街づくりを考えるときは)アクティビティ、空間、建築――必ずこの順序で」といったゲール氏の主張に影響を受けたという。

 「都市に生きるということは、(1)不特定多数の他者との関係性の中にいる、(2)身体で経験し五感を通して都市を知覚する、この2つの側面を持つ」と島原氏は定義する。この2つを、「センシュアス指標」と呼ぶ具体的な行動や動作でなる8要素32項目に展開し、各都市の居住者がそうした行動を過去1年間にどのような頻度で経験したのか、アンケート調査を行った。

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