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AIで市民の意見を深掘り、新潟市と三菱総研が実証実験

公共施設マネジメントに生かす市民ニーズを抽出

山田 雅子=ライター【2018.5.21】

実証実験に用いたインタビューボットの概要(資料:三菱総合研究所)
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 新潟市と三菱総合研究所は、三菱総研が開発中の人工知能(AI)と対話するインタビューボットを用いた「対話型ご意見聞き取りサービス」の実証実験を実施し、5月10日に実験の結果を公表した。同サービスは、公共施設マネジメントの円滑な実施を目的に、市民の合意形成に必要な市民ニーズを抽出するツールとして開発を進めているものだ。実験では、スマートフォンやパソコンを通じて市民がAIと対話し、公共施設マネジメントについての意見を集め、実際に意見やニーズを把握できるか、対話が成立したかなどの実用可能性を検証した。実験の結果、時間帯の制限なく参加でき、対話を通じて意見を深掘りできることから、様々な市民から、多様な意見を収集できることが確認できた。

 実験は、3月6日から18日にかけて、新潟市西蒲区の住民を対象に実施。チラシを配布して、スマホやパソコンからの参加を募ったところ、111名が参加した。実験に用いたインタビューボットとは、AIを活用して人間との対話やメッセージのやりとりを行うコンピュータープログラムだ。「ひありん」というキャラクターの姿で市民と対話した。

 対話は、例えばAIからの「公共施設の維持・管理や建て替えに必要な費用をまかなえなくなったら、どのようなことが心配か」といった内容の問いかけに対し、参加者が意見を言い、それに対して再びAIが問い返しながら、対話を深掘りし、意見を特定していく仕組みだ。

 インタビューボットには、住民意見データベースと想定テーマのリスト、地域別知識データベース、インタビューシナリオが組み込まれており、参加者の自由な回答からテーマやニーズを探り出し、内容に応じた答えを返しながら、さらなる意見を引き出していく。平均発話数は9.4回に上り、なかには20分以上対話する参加者も複数いた。対話時間の中央値は7.53分だった。

実証実験に用いたインタビューボットの概要。住民意見データベースと想定テーマのリスト、地域別知識データベース、インタビューシナリオが組み込まれている(資料:三菱総合研究所)
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アンケート回答者の発話数と対話にかかった時間(資料:三菱総合研究所)
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 参加者111名の内訳は、40代が36%と最も多く、次いで10~20代が23%で、40代までの参加者が、全体の75%を占めた。一方、過去に市内で実施したワークショップの参加者は60代が21%、70代以上が19%で、50代以上が全体の52%、40代までが48%だった。男女別では、女性の参加者が54%と過半を占めた(ワークショップでは33%)。

実証実験参加者とワークショップ参加者の年齢層を比較(資料:三菱総合研究所)
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 これらの結果から、このサービスでは、ワークショップなどの従来の手法では参加が少ない若者や中年層、女性の参加が多く得られるとともに、問いかけに応じて多様で、深掘りした意見を把握できることがわかった。また、利用時間帯は18時~21時をボリュームゾーンとして、深夜や早朝も含む24時間に分布しており、幅広い時間帯に利用されていた。参加者の約7割が、従来のアンケートと比較して意見を言いやすいとも回答しており、利用のしやすさも確認できた。

実証実験への時間帯別アクセス数(資料:三菱総合研究所)
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 新潟市では、高度経済成長期に整備された公共施設やインフラ資産が、今後、一斉に耐用年数の経過や老朽化に伴い、修繕や更新の時期を迎える状況にある。一方で、人口減少や少子高齢化の進展により、財政状況は厳しさを増すと予想されるなかで、地域と連携した公共施設の効率的な経営が課題となっており、地域住民の意見を聞く必要があった。市は、アンケート調査などと異なり、AIとの対話を通じて意見を深掘りすることで、短時間で多くの本質的なニーズを収集できると期待し、今回の実験に協力した。

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