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「コーディネートに次ぐコーディネート」がスポンジ化対策の基本

法改正も対策を後押し、首都大学東京教授・饗庭伸氏に聞く

茂木俊輔=ライター【2018.5.23】

スポンジの穴のように空き家や空き地が都市内に散在していく「都市のスポンジ化」。その対応策を盛り込んだ都市再生特別措置法等の一部を改正する法律(以下、改正法)が、今国会で可決・成立した。行政や民間はどのような役割分担の下で何ができるようになるのか――。対応策を検討してきた国土交通省の委員会で委員を務める首都大学東京教授の饗庭伸氏に聞いた。

首都大学東京教授の饗庭伸氏(写真:都築雅人)
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――対応策の中身に入る前にまず、「都市のスポンジ化」とは何か、あらためて教えてください。いまでこそ都市計画の分野では当たり前のように使われる言葉ですが、饗庭さんが最初にお使いになったと認識しています。

 確かに、2015年に花伝社から出版した著書「都市をたたむ」の中で使っていますが、都市計画の世界ですでに何人かの方が指摘されていたことをそう記しただけです。言葉を広めるのには多少貢献したのでしょうが。

 このスポンジ化の前提には、日本の都市では、土地が細かく分かれ、それぞれに強い所有権が設定されているという実情があります。

 仮に散在する空き家や空き地を集約してビルを建てようとしても、所有者各人のライフステージは異なりますし、意思決定のプロセスもそれぞれですから、そう簡単にまとまりません。大変な苦労が伴います。共同ビルを建設することで権利調整に必要なコストを賄えるような好立地であれば、第三者が介入し、所有者をまとめることが考えられますが、そうでない場合には、共同化は考えられません。そんなふうに共同化できる場所は、地方都市では滅多にありません。

 こうした事情から、所有者各人がそれぞれのタイミングと意思決定で土地を売ったり建物を建て替えたりしていきます。一方で人口の総数は減っていくため、空き家や空き地は確実に増え、それが街のあちらこちらに増えていくわけです。それが、スポンジ化です。

――スポンジ化はいつごろから始まったのでしょうか?

 1990年代に地方都市の商店街で空き店舗の発生が問題化し、中心市街地の活性化を図ろうとする法律が誕生しました。当時は、郊外型の大型店に商店街が対抗できなくなるという商業の問題ではないかとみていましたが、いま振り返ると、あれがスポンジ化の始まりだったのではないかと思います。同じことがいま、住宅地で起きているわけです。

――このスポンジ化とは国土交通省が提唱する政策「コンパクト・プラス・ネットワーク」には反するものなのですか。

 スポンジ化は実態の話、コンパクト・プラス・ネットワークは目指すべき都市像の話です。国交省が提唱するコンパクト・プラス・ネットワークの考え方は鉄道駅など交通利便性の高い場所に都市機能を集約しようとするもので、将来像としては合理的だと思いますが、スポンジ化の実態から見るとそう簡単には実現しないでしょう。空き家や空き地が都市郊外部から発生するとは限らないからです。

 実際、スポンジ化は都市全体が同じように低密化していく現象です。つまり、コンパクト・プラス・ネットワークを実現していくには、スポンジ化に適切に対応していく必要があるのです。

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