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常識を越えろ! 変革者たちの挑戦IT

農業の未来変える切り札ロボット、頭脳は5000円の「ラズパイ」だった!(3/5ページ)

2016.06.03

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市販のUSBカメラなど利用で桁違いのコストダウンを実現

 栽培見回りロボットの大きな売りは、こうした高精度の収穫予測を「きわめて低コスト」で実現できる点にある。例えば、Gプランニングのために使うカメラは、通常パソコンにつないで使う市販のUSBカメラ(2000円程度から購入可能)を利用している。センシング目的でこうしたカメラをメーカーに開発してもらったら、価格は軽く数万円以上のオーダーになるだろう。

安価な市販のUSBカメラを利用
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 「最近のUSBカメラの解像度はかなり高く、色や大きさのごくわずかな変化など農作物の生育状況を分析する目的で何の問題もなく使える。市販製品でUSB接続なので、壊れたらすぐ買ってきてユーザー自身が交換可能だし、経済的負担にならずに予備も用意しておける」(蒲谷氏)。その他のセンサー類やロボット部品に関しても、極力、低価格な市販品を使っているという。

ロボットが搭載するセンサーの例
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 「USBカメラなどを使った安価なシステムでのセンシングだから、高精度といってもたかが知れているのでは?」――。このように考える人もいるかもしれないが、決してそんなことはない。ロボットが自ら個々の農作物の目の前まで行って測定するため、高価な固定型センサーをハウス内にまばらに設置するよりもずっと高精度なセンシングが可能だと蒲谷氏は胸を張る。

 栽培見張りロボットは昼も夜も稼働させておく必要があるため、人間が充電するのでは手間がかかりすぎる。また、屋外で使うのでほこりなどが多く、充電用プラグの差し込み口などを付けると故障の原因になりかねない。この点についても対策済みだ。バッテリー容量が少なくなると、ロボットは充電ステーションまで自動的に戻り、ワイヤレス充電(磁界共振方式)を行うようになっている。

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 ワイヤレス充電の仕組み自体は、一部のスマートフォンなどで採用されているものと同じだ。ロボット本体後部にあるコイルと充電ステーション側のコイルを近づけて電力を伝送し、バッテリーを充電する。

 ワイヤレス給電の方式としてよく名前を目にする「電磁誘導方式」ではなく、磁界共振方式を採用したのは、コイル同士をほとんど接触するくらいまで近づけなくても電力を伝送できる(= 充電可能距離を伸ばせる)といったメリットがあるため(ただし、距離が離れるほど効率は落ちる)。

 農場で使うロボットである以上、常に地面が平らな理想の状況で充電できるとは限らず、また他にどんな不確定要素があるか分からないため、コイル間の距離要請が厳しい電磁誘導方式よりも磁界共振方式の方が有利と判断。東京大学 浅見・川原研究室の協力のもと、同方式を使った充電システムの開発を進めたという。

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