ニュースリリース

NEWS RELEASE

日経ものづくり調査「数字で見る現場」

日本における「強い工場」の条件は「そこでしか造れない製品を造る」 こと

 日経BP社(本社:東京、社長:長田公平)は2013年3月27日、日本における「『強い工場』の条件」に関して、主に製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査を実施し、その結果を発表しました。最近の円安や株高を受けて、製造業の業績にも明るい兆しが出てきました。製造業がこのまま日本でものづくりを続けていくためには、どうしたら良いのか。「強い工場」という言葉からイメージする工場について尋ねたところ、回答者の58.6%が「そこでしか造れない製品を造る工場」と回答。さらに、工場運営の3要素である「経営」「技術」「人材」のうち、強い工場に最も必要な要素は「人材」(49.8%)であると答えました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「『強い工場』の条件」について調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2013年2月27日~3月5日にかけて実施しました。回答者が属する主な業種は自動車等輸送用機器メーカー、産業用機器メーカー、機械部品・電子部品メーカー、総合電機・家電メーカー、精密・事務用機器メーカーなどです。その結果、下記の状況や認識が明らかになりました。

  • 「強い工場と聞いて、すぐに頭に思い浮かべる工場はどれか」を聞いたところ、「そこでしか造れない製品を造る工場」が58.6%で1位だった。これに「高い技能を持つ人材を育てる工場」(43.6%)、「抜きんでた品質で生産できる工場」(40.4%)、「働く人が生き生きとしている工場」(37.1%)が続いた(図1)。その一方で、「売上高を拡大する工場」(3.3%)や「生産量を拡大する工場」(2.5%)は少なかった。日本の工場は、規模拡大型よりもオンリーワン型の方が競争力を発揮できるとの見方だ。
  • 「『経営』『技術』『人材(現場)』のうち、強い工場に最も必要だと思う要因はどれか」と尋ねると、「人材(現場)」が49.8%とほぼ半数を占めた(図2)。「技術」は26.4%、「経営」は23.4%だった。日本の工場は海外の工場と比較して、とりわけ現場が強いとされる。この結果は、それを裏付けた格好だ。
  • 「強い工場に必要な技術として、不可欠だと思うものはどれか」を聞いてみると、1位は「他社に真似できない製品や部品を造れる技術力」(62.5%)で、ここでもオンリーワン型がトップだった(図3)。続く2位は「工程内で高い品質を作り込める技術力」(60.0%)、3位は「製造部門と設計部門の密な連携から生まれる技術力」(57.6%)、4位は「多品種少量生産や変種変量生産などに柔軟に対応できる技術力」(54.3%)と、日本が海外に比べて競争力があるとされる技術が上位を占めた。日本では日本の強みを磨くことこそがものづくりを続ける条件と考えられているようだ。

図1 強い工場と聞いて、すぐに頭に思い浮かべる工場はどれか(3つまで、必ず回答)

何の先入観もなく、ただ「強い工場」と聞いて何を思い浮かべるか。それこそが、日本の技術者たちの考える強い工場だと想定し、調査の冒頭でこの質問をぶつけた(3つまで選択)。すると、半数以上の実に58.6%の人が、「そこでしか造れない製品を造る工場」と答えた。いわば“オンリーワン型”だ。「売上高を拡大する工場」(3.3%)や「生産量を拡大する工場」(2.5%)などの“規模拡大型”の選択肢に比べ、回答数が圧倒的に多かったのである。
併せて、「高い技能を持つ人材を育てる工場」(43.6%)や「抜きんでた品質で生産できる工場」(40.4%)、「働く人が生き生きとしている工場」(37.1%)も多かった。

図2 「経営」「技術」「人材」のうち、強い工場に最も必要だと思う要因はどれか(単一回答)

強い工場を創る要素は大きく、「経営」「技術」「人材」の3つになる。これらのうち最も技術者たちに重要視されていたのが、「人材(現場)」(49.8%)だった。次が「技術」(26.4%)で、最も少なかったのが「経営」(23.4%)だ。

図3 強い工場に必要な技術として、不可欠だと思うものはどれか(複数回答)

強い工場に必要な要素を「技術」だけに絞って聞いた。すると、図1と同様に、「他社に真似できない製品や部品を造れる技術力」(62.5%)が1位となった。やはりオンリーワン型こそ、日本工場が海外工場に勝つ活路と考える向きが多いことが分かった。
興味深いのは、1位とそれほど大差なく2~4位にランクインした項目の内容である。2位は「工程内で高い品質を作り込める技術力」(60.0%)、3位は「製造部門と設計部門の密な連携から生まれる技術力」(57.6%)、4位は「多品種少量生産や変種変量生産などに柔軟に対応できる技術力」(54.3%)だった。これらはいずれも、日本が海外に比べて競争力があると言われている分野だ。
「海外と同じことをしていては勝てない。独自の強みを生かすべきだ」という技術者たちの声が、聞こえてくるかのようだ。

 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」「円高が生産や調達に及ぼす影響」「震災の影響と復興への動き」「日本の生産技術」「環太平洋経済連携協定(TPP)の影響」「技術情報の流出」「図面の品質」など、これまでに約80のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、488の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり4月号(4月1日発行)に掲載する予定です。次回の調査テーマは「高年齢技術者の再雇用について」の予定です。

日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材を基に、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

お問い合わせ先

 このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社Webサイトの問い合わせフォーム(※現在、リンク先のページは存在しません)にお願いいたします。
 取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話03-6811-8556にお願いいたします。