ニュースリリース

NEWS RELEASE

日経ものづくり調査「数字で見る現場」

3次元CADは標準化や共通化を「推進する」54.7%、「阻害する」34.8%

 日経BP社(本社:東京、社長:平田保雄)は2010年5月28日、「ものづくりITの表と裏」に関して、製造業のエンジニア(技術者)を対象に調査し、その結果を発表しました。ものづくりのためのITは、製造業にとって不可欠なものである半面、想定と逆の効果が生じることもあり、例えば3次元CADの形状編集の容易さは標準に合致した設計を容易にする一方で、全く逆の標準から逸脱した設計も容易にします。本調査では、「3次元CADは標準化を推進する」と肯定的にとらえる回答が54.7%を占める一方で、「3次元CADは標準化を阻害する」と批判的にとらえる回答も34.8%に上りました。

 日経BP社の製造業向け雑誌『日経ものづくり』は、「ものづくりITの表と裏」の現状や意味を調べるため、エンジニアを主として対象にした調査を2010年4月28日~5月1日に実施しました。その結果下記の状況や認識が明らかになりました。

  • CADと設計標準化の関係を聞いたところ、「CADによって標準に合わせたモデリングが容易になる」(つまり、標準化を後押しする)という意見が54.7%と多数を占める中で、「CADによって標準外のモデリングをしてしまう」という反対の意見が34.8%に達し、ほぼ3対2の関係。(図1)
  • 設計開発初期の自由度の高い段階で、より多くの設計検討を実行し後工程に進んでからの手戻りをなくす「フロントローディング」が理屈通りにいくか、という観点での質問には56.2%が肯定的に「手戻りが減る」と回答。「見落としはあるので、手戻りはほとんど減らない」と「後になって事情が変わるため、手戻りはほとんど減らない」とした批判派は合計28.9%と、肯定派のほぼ半分。(図2)
  • 以前の設計・生産の案件についてのデータの蓄積・再利用というIT活用の基本についても、そのことが新規技術開発を制限するという批判的な見方もあり、この点に関する質問では肯定的な「さまざまな顧客や案件に対応しやすくなる」との回答が55.6%を占めたが、批判的な見方が28.0%に達した。(図3)
  • 以上のように批判的意見が少なくないにも関わらず、ものづくりにITは不可欠、またはある程度は必要とする回答者が96.7%を占める。(図3)

図1 CADと標準化の関係で、あなたの意見に近いものはどれか

図1 CADと標準化の関係で、あなたの意見に近いものはどれか


図2 設計のフロントローディング(業務の前倒しによる手戻り削減)で
手戻りは本当に減るか

図2 設計のフロントローディング(業務の前倒しによる手戻り削減)で、手戻りは本当に減るか


図3 以前の案件のデータは再利用できるか

図3 以前の案件のデータは再利用できるか


図4 ものづくりのために、ものづくりにIT導入は必要か

図4 ものづくりのために、ものづくりにIT導入は必要か


 本調査は、製造業の実態を経営者の目線だけではなく、現場の目線からも明らかにしようという狙いで実施しているものです。「製造現場における派遣の実態」「製造業におけるノウハウの伝承」「子供と学生へのものづくり教育」「トヨタ自動車の品質問題が示唆する日本製造業の課題」など、これまでに約60のテーマについて調査し、現場の危機感や認識を定量化してきました。今回はニュース配信サービス「日経ものづくりNEWS」とWebサイト「Tech-On!」の登録者を対象に、アンケート用URLを告知する方法によってWebサイト上でアンケートを実施、577の回答を得ました。調査結果の詳細は、日経ものづくり6月号(6月1日発行)に掲載します。次回のテーマは、「製造業にとっての新興国への期待」の予定です。

■日経BP社について

 日経BP社は、技術と経営と生活の先端情報を多様なメディアを駆使して提供する出版社(コンテンツ・プロバイダー)です。経済を中心とする情報を国内外に発信する日本経済新聞グループの一員として1969年4月に設立されました。日経BP社と日経BPグループが展開している事業は、雑誌、書籍・ムックなどの出版をはじめ、インターネット、展示会、調査・コンサルティング、教育・セミナーなど多岐にわたっています。

■日経ものづくりについて

 「日経ものづくり」は、日本の競争力の源泉であるものづくり力を強化するために、製造業が抱える課題の解決と技術革新に関する情報を総合的に提供する情報誌です。入念な取材をもとに、詳細なデータを加え独自の視点から執筆した記事を掲載しています。対象とする技術は幅広く、機械や電子、ソフトウエアにも及びます。また工作機械、製造のためのITツールなど現場で利用する技術・製品の動向もウオッチします。

【お問い合わせ先】

このアンケートに関するお問い合わせは、日経BP社 日経ものづくり編集部 電話 03-6811-8131にお願いいたします。
取材のお申し込みは、日経BP社 コーポレート管理室・広報 電話 03-6811-8556にお願いいたします。