第13回日経小説大賞(日本経済新聞社・日経BP共催)の受賞作が決まり、夜弦雅也氏(60)の「高望の大刀」が受賞しました。平安時代前期、桓武天皇のひ孫で臣籍降下して平姓を賜り、上総介として関東に東下し土着。平将門、平清盛、さらには北条氏をはじめとする関東武士につらなるとされる桓武平氏の祖、武将の平高望を通して、平安の裏面史を創作した歴史活劇です。
授賞式は2022年2月25日、東京都千代田区の日経ホールにて行います。授賞式に引き続き、受賞者と選考委員による座談会を開催。授賞式・座談会の模様は日経電子版でライブ配信します。
受賞作は22年2月に日本経済新聞出版から単行本として出版します。
「日経小説大賞」
- 選考委員 辻原登、髙樹のぶ子、伊集院静、角田光代の4氏
※辻原氏の辻は二点しんにょう - 賞金 500万円
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第13回受賞者
夜弦雅也(やげん・まさや)氏=写真
1961年生まれ。福岡県出身。愛媛大学理学部卒業後、企業で法規関連などの業務に携わる。東京都在住。趣味はミュージカルの楽曲を歌うこと。 - 受賞作の内容
「高望の大刀(たかもちのたち)」
9世紀後半、桓武帝のひ孫だが、無位無官の高望王が主人公。弓で戦う衛府の武官に不利な大刀で戦って勝てば官位を授けると言われ、高望は見事に勝利する。朝廷が繰り出す武官たちを次々に破るが、戦いのさなかに弾いた矢が、見物中の今上帝を傷付けたことで、高望は捕らえられてしまう。奸計によって謀反の罪に問われ、臣籍に落とされる。平姓を賜った高望は上総国に流されるが、そこから彼の逆襲が始まる。 - 応募状況 21年4月から6月にかけて募集。応募作品数は321点
《参考》
第1回(2006年10月) | 武谷 牧子氏 「テムズのあぶく」 |
第2回(2008年10月) | 萩 耿介氏 「松林図屏風」 |
第3回(2011年10月) | 梶村 啓二氏 「野いばら」 |
第4回(2012年12月) | 長野 慶太氏 「神様と取り引き」(出版時は「神隠し」) |
第5回(2013年12月) | 芦崎 笙氏「スコールの夜」 |
第6回(2014年12月) | 紺野 仲右ヱ門氏「女たちの審判」 |
第7回(2015年12月) | 西山 ガラシャ氏「公方様のお通り抜け」 |
第8回(2016年12月) | 太田 俊明氏「姥捨て山繁盛記」 |
第9回(2017年12月) | 赤神 諒氏「義と愛と」(出版時は「大友二階崩れ」) |
第10回(2018年12月) | 佐伯 琴子氏「狂歌」 |
第11回(2019年12月) | 夏山 かほる氏「新・紫式部日記」 |
第11回(2019年12月) | 湊 ナオ氏「東京普請日和」 |
第12回(2020年12月) | 天津 佳之氏「利生の人 尊氏と正成」 |
※年月は発表時点、第11回は2作同時受賞。 |
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