日経BP(本社:東京都港区、社長:吉田直人)は、10月8日、「第1回ESGブランド調査」の結果を発表しました。この調査は、日経ESG経営フォーラムが2000年から毎年、継続してきた「環境ブランド調査」を衣替えしたものです。調査対象範囲を「環境(E)」だけでなく、「社会(S)」「ガバナンス(G)」に広げ、さらにESGに分類できない良い会社のイメージとして「インテグリティ(誠実さ)」の項目を加えました。
主要560企業ブランドを対象に、各企業のESGに関する活動が一般の消費者にどう伝わっているかについてインターネットを利用してアンケート調査し、結果を集計・分析しました。今回は2020年5月25日~6月30日にアンケート調査を実施し、全国の消費者2万1000人から有効回答を得ています。調査結果の概要をご紹介します。
■ESG指数トップ20
順位 | ブランド名 | 指数 |
---|---|---|
1位 | トヨタ自動車 | 117.9 |
2位 | サントリー | 97.0 |
3位 | イオン | 88.1 |
4位 | キリン | 82.9 |
5位 | 花王 | 82.5 |
6位 | パナソニック | 79.6 |
7位 | スターバックス コーヒー ジャパン | 77.3 |
8位 | 資生堂 | 76.8 |
9位 | ホンダ | 76.1 |
10位 | サッポロビール | 74.1 |
11位 | 日本マクドナルド | 73.1 |
12位 | ソニー | 72.4 |
13位 | Google(グーグル) | 71.7 |
14位 | カゴメ | 71.6 |
15位 | Apple(アップル) | 70.6 |
15位 | 味の素AGF | 70.6 |
17位 | 大和ハウス工業 | 70.1 |
18位 | キユーピー | 69.8 |
19位 | 味の素 | 69.6 |
20位 | 富士フイルム | 69.4 |
■テーマ別の上位10社とスコア
【環境】
順位 | ブランド名 | スコア |
---|---|---|
1位 | サントリー | 127 |
2位 | トヨタ自動車 | 110 |
3位 | イオン | 108 |
4位 | パナソニック | 94 |
5位 | キリン | 89 |
6位 | スターバックス コーヒー ジャパン | 85 |
7位 | サッポロビール | 84 |
8位 | シャープ | 82 |
9位 | 花王 | 81 |
10位 | 大和ハウス工業 | 78 |
【社会】
順位 | ブランド名 | スコア |
---|---|---|
1位 | トヨタ自動車 | 110.2 |
2位 | 資生堂 | 91.7 |
3位 | イオン | 88.8 |
4位 | サントリー | 87.1 |
5位 | 花王 | 82.4 |
6位 | 日本マクドナルド | 80.9 |
7位 | ホンダ | 79.0 |
8位 | キリン | 78.5 |
9位 | スターバックス コーヒー ジャパン | 76.6 |
10位 | 味の素 | 74.8 |
【ガバナンス】
順位 | ブランド名 | スコア |
---|---|---|
1位 | トヨタ自動車 | 120 |
2位 | 花王 | 74 |
3位 | 武田薬品工業 | 72 |
4位 | 富士フイルム | 71 |
5位 | キリン | 69 |
6位 | ソニー | 69 |
7位 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 68 |
8位 | NTT東日本 | 67 |
9位 | サントリー | 67 |
10位 | イオン | 67 |
10位 | 味の素AGF | 67 |
【インテグリティ】
順位 | ブランド名 | スコア |
---|---|---|
1位 | トヨタ自動車 | 99.1 |
2位 | サントリー | 84.9 |
3位 | Apple | 84.8 |
4位 | オリエンタルランド | 80.5 |
5位 | Google(グーグル) | 79.8 |
6位 | キリン | 79.6 |
7位 | 花王 | 76.7 |
8位 | パナソニック | 76.7 |
9位 | スターバックス コーヒー ジャパン | 75.6 |
10位 | ソニー | 75.6 |
今回の調査では、「トヨタブランド」の強さが際立ちました。総合第1位だけでなく、環境では2位になったものの、社会、ガバナンス、インテグリティの各テーマで1位になりました。順位だけでなく、スコアも頭抜けています。上の表のように総合順位を示すESG指数で100を超えたのはトヨタのみです。ESG各テーマのスコアでも、社会、ガバナンス、インテグリティで2位以下に大差をつけています。
昨年までの調査では、環境ブランドと並行して2017年から社会とガバナンスのブランドイメージを聞く「SGイメージ調査」を実施してきました。その結果、トヨタは圧倒的に高い評価で3年連続1位を獲得しています。今回も継続して、SとGのブランド力の強さを示したと言えます。
設問別に見ると、環境では「気候変動の対応に努めている」「省エネに努めている」など12項目中4項目で1位。社会では「労働災害の防止など従業員の安全や健康に配慮している」「製品の安全性に配慮している」など12項目中6項目で1位でした。
ガバナンスでは「経営トップがガバナンスに対する高い意識を持っている」をはじめ全12項目で1位を独占しました。インテグリティでも「より良い社会づくり(SDGsの達成)に貢献している」「将来世代のことを考えて経営している」など9項目中5項目で1位になりました。
総合第2位になったサントリーは、過去3年連続で環境ブランド調査のトップを獲得してきました。その強さは今回も健在でした。「生物多様性の保全に努めている」や「自然保護に力を入れている」など4項目で1位を獲得しました。回答者の自由意見には「水と生きる」の企業メッセージに言及するものが目立ちました。
総合3位のイオンは、小売業で唯一トップ10に食い込みました。環境と社会での高い評価を受けています。環境では、「消費者や地域住民・NPOと協力して環境を保護している」で1位、「リサイクルに力を入れている」で2位を獲得。社会では、「フェアトレードなど社会的格差や貧困問題の解消に積極的」で3位になりました。
ESGブランド調査の詳細は、日経ESG 2020年11月号(10月8日発行)の特集記事「第1回ESGブランド調査」(44~57ページ)に紹介していますので、ご覧ください。
■日経ESG経営フォーラムについて
社会や産業界におけるESG経営の理解を図ることを目的に2018年4月に発足、日経BPが事務局を務める。184社(2020年10月1日現在)の会員企業・団体と共同で、ESG経営に関する研究や調査、情報収集・情報発信などの活動に取り組む。
※日経ESG経営フォーラムのホームページ
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/esg/
【本リリースに関するお問い合わせ先】
本調査に関するお問い合わせは、日経ESG経営フォーラム事務局(電話03-6811-8803)にお願いいたします。
取材のお申し込みは、日経BP 経営企画室・広報(電話03-6811-8556)にお願いいたします。