日経BP(本社:東京都港区、社長:吉田 直人)が発行する建築総合誌『日経アーキテクチュア』と家づくりの実務情報誌『日経ホームビルダー』は2019年6月10日、「建材設備大賞2019」の受賞製品を発表しました。
建材設備大賞は、都市や建築・住宅の未来を切り開く優れた建材・設備を表彰することで技術や産業の発展に寄与し、社会に貢献することを目的としています。前身の「ECHO CITY製品大賞」から数えて今回で6回目の開催となります。
広く建材・設備メーカーから製品を公募し、今回は22製品の応募がありました。その後、建築家の内藤廣氏を委員長とする審査委員会を開き、大賞1点、特別賞3点を選定しました。建材設備大賞2019の関連記事は、デジタルメディア『日経 xTECH』に本日公開する他、日経アーキテクチュア2019年6月13日号と日経ホームビルダー2019年7月号に掲載する予定です。
<受賞製品>
■建材設備大賞(1点)
- TOSTEM LW/LIXIL
■特別賞(3点、社名の五十音順)
- 転倒防止ユニット L-FORCE/イトーキ
- スクエアターフ洪水無用/共同カイテック
- ベースセッター/BXカネシン
<対象製品>
- 主として日本国内で開発され、今回は2018年1月から12月までに発売された建材・設備を対象としています。
<選定基準>
- 技術や産業の発展に寄与し、社会に貢献する点を重視して選定しています。
- 評価する項目は、機能性、耐久性、安全性、防災性、省エネ性、意匠性、施工性、独創性など多岐にわたりますが、製品の性能面だけでなく、製品をつくるプロセス、社会やユーザーとの関わり方など製品をめぐる様々な取り組みを評価しています。
<審査委員会>(敬称略)
内藤 廣 | (建築家、東京大学名誉教授)=委員長 |
河野 晴彦 | (大成建設顧問) |
内田 信平 | (岩手県立大学盛岡短期大学部准教授) |
宮沢 洋 | (日経アーキテクチュア編集長) |
下田 健太郎 | (日経ホームビルダー編集長) |
小原 隆 | (日経BP総研社会インフララボ上席研究員) |
<各受賞製品の概要>
■建材設備大賞
TOSTEM LW/LIXIL
ガラス窓の四周にある框(かまち)を見えなくした木造住宅用の大開口窓。一見するとガラスだけのはめ殺し窓のようだが、スムーズに開閉操作できる機構を搭載した。メリットは「すっきりしたデザイン」と「断熱性の良さ」。框が見えないので、窓の存在を感じさせず、スッキリした印象を与える。また、昨今の窓は、框部分が断熱性を確保するうえでの弱点となっており、フレームの露出をなくしたメリットは大きい。

■特別賞
転倒防止ユニット L-FORCE/イトーキ
壁面下部に固定・設置して収納庫を載せるだけで、震度7クラスの地震時でも収納庫の転倒を防止するユニット。地震時には、L型のプレートで壁面下部とつながる底面の鋼板が湾曲することにより、免震機能を発揮する。壁面上部や床には固定しない。そのため、施工も大掛かりにならず、家具の組み立て作業員が設置できる。収納庫の上部にも金具などが露出しないので、見た目も損なわない。

スクエアターフ洪水無用/共同カイテック
雨水流出抑制機能を持たせた屋上緑化システム。60リットル/m2の雨水を一時的に貯留できる能力を持ちつつ、貯留した雨水を24時間以内に自然排水する。そのため、雨水を常に溜められる状態に保つことができる。土壌コンテナ、貯水槽、一時貯水槽ともに、十字形断面の支柱で補強しているので、植栽の上を歩行しても問題ない。「緑化面積」と「雨水流出抑制」という自治体から指導される2つの要件を同時にクリアできる。

ベースセッター/BXカネシン
幅450mm、壁倍率5相当の強度性能を備えた耐力壁を構築する柱脚金物。上に載せる壁材は一般に流通する梁材を使用する。向きや置き場所を自由に選べるので、狭小地の住宅で開口部を広く取れたり、間仕切りのない空間やビルトインガレージなどを確保できたりする。建材メーカー独自の構造計算が必要となる門型フレーム(柱+梁)の採用と比べ、エクセルシートを使った簡単なチェックと許容応力度計算で導入できる。

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