働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経WOMAN』(発行:日経BP社)と日経ウーマノミクス・プロジェクトは、2016年版「企業の女性活用度調査」を実施。534社から得た回答を基に、『日経WOMAN』6月号(5月7日発売)誌上にて総合ランキングBEST100を発表しました。同調査は『日経WOMAN』が1988年の創刊時から不定期に実施しているもので、今回で14回目を迎えます。
企業における女性社員活用の実態を、1.管理職登用度、2.ワークライフバランス度、3.女性活躍推進度、4.ダイバーシティ浸透度の4つの指標で測定し採点。それらを合計して算出した総合得点を偏差値化し、総合ランキングを作成しました。結果概要は次の通りです。
*表示した総合点(偏差値)が同じで順位が違う場合は、小数点2位以下で差があります。
『女性が活躍する会社』 総合ランキング BEST10
順位 | 企業名 | 総合点 |
---|---|---|
1 | 資生堂 | 80.9 |
2 | セブン&アイ・ホールディングス | 80.9 |
3 | 第一生命保険 | 80.9 |
4 | 明治安田生命保険 | 80.8 |
5 | ジェイティービー | 80.4 |
6 | ANA | 79.2 |
7 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 78.2 |
8 | 日本生命保険 | 77.1 |
9 | パソナグループ | 76.8 |
10 | カネボウ化粧品 | 76.7 |
3年連続で総合1位になったのは資生堂。2014年から継続して取り組む、育児短時間勤務中の美容職(ビューティーコンサルタント)の働き方改革で話題になりました。2016年度は女性リーダー比率30%達成という数値目標を掲げています。上位企業では、女性管理職の任用と人材育成の強化、残業時間の削減など男性を含めた働き方改革に積極的なケースが多く見られました。
各企業の“女性活用”の中身をより詳しく分析するため、総合ランキングに加え、4つの「部門別ランキング」も作成しました。それぞれの部門の評価ポイント、ならびに各部門1位~10位の企業は以下の通りです。
●【管理職登用度】部門
~女性役員の有無や、管理職に占める女性の割合などを評価
今回の調査では、「生え抜きの女性役員がいる」と回答した企業の割合が26.6%と、前回2015年の調査の23%から大きく伸びました。2016年4月に施行された女性活躍推進法の影響もあり、女性管理職比率の数値目標を社内外に公表する企業は増えています。1位のジェイティービーは女性管理職比率が37%と高く、2016年6月までに女性役員比率を5%にするとの目標を掲げます。2位のセブン&アイ・ホールディングスは、女性の活躍推進により女性管理職が増加。「2020年までに女性管理職比率を30%(課長職・係長職)にする」との数値目標を掲げ、達成に向けて人材の育成を強化しています。
順位 | 企業名 | 点数 |
---|---|---|
1 | ジェイティービー | 86.1 |
2 | セブン&アイ・ホールディングス | 84.9 |
3 | ニチイ学館 | 81.5 |
4 | パソナグループ | 80.1 |
4 | ソラスト | 80.1 |
6 | リクルートグループ | 79.5 |
7 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 79.1 |
8 | 資生堂 | 78.4 |
9 | ベネッセコーポレーション | 76.3 |
9 | シーボン | 76.3 |
●【ワークライフバランス度】部門
~年間総労働時間や有給休暇取得率、男女社員の育休取得率などを評価
今回の調査では、全回答企業の1人あたりの年間総労働時間は平均1987時間と、2015年に比べ3.1時間の削減が見られました(2015年は1990.1時間)。仕事と子育て・介護との両立支援策は非正規社員に対しても充実する傾向にあり、「非正規社員への法定を超えた育児休業の延長がある」と回答した企業は41.8%(2015年は34.9%)、「非正規社員への法定を超えた介護休業の延長がある」と回答した企業は37.5%(2015年は32.5%)など、雇用形態にかかわらず働きやすい環境づくりに取り組む企業が増えています。1位の明治安田生命保険では、職場ごとにワークライフバランスやダイバーシティ推進の取り組み状況を点数化し、所属長の評価に反映させる仕組みを導入しています。
順位 | 企業名 | 点数 |
---|---|---|
1 | 明治安田生命保険 | 79.6 |
2 | 日本生命保険 | 77.5 |
3 | 第一生命保険 | 77.0 |
4 | 日立製作所 | 75.4 |
5 | 帝人 | 73.9 |
6 | カネボウ化粧品 | 72.4 |
7 | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 71.8 |
7 | アクセンチュア | 71.8 |
9 | ANA | 70.8 |
9 | リコーリース | 70.8 |
●【女性活躍推進度】部門
~女性活用の専任組織の有無や女性社員向けの研修制度などで評価
今年の調査では、女性社員の活躍を推進する組織やプロジェクトがあると答えた企業の割合が60.3%と、2015年の53.6%から6.7ポイント上昇しました。女性の活躍を後押しする具体的な取り組みを進める企業も増えています。女性社員に向けて「中長期のキャリアぢライフプラン研修」を設ける企業は60.1%(2015年は53.8%)、「育児休業取得者へのキャリアサポート」を行う企業は51.5%(2015年は45.3%)と、女性の仕事と働き方への研修は増加しています。1位のANAでは2015年からグループ全体で、管理職手前の中堅層の女性を対象に選抜研修を実施。女性リーダーを対象としたネットワーク構築にも取り組んでいます。
順位 | 企業名 | 点数 |
---|---|---|
1 | ANA | 76.8 |
1 | 大和証券グループ | 76.8 |
3 | イオン | 76.2 |
4 | 日立製作所 | 74.5 |
5 | 第一生命保険 | 73.9 |
6 | 東京海上日動火災保険 | 73.3 |
7 | セブン&アイ・ホールディングス | 72.7 |
8 | 日本生命保険 | 72.1 |
9 | 損害保険ジャパン日本興亜 | 71.6 |
9 | SMBC日興証券 | 71.6 |
●【ダイバーシティ浸透度】部門
~女性社員の割合や、男性社員と女性社員の勤続年数均等度、LGBTへの理解促進などで評価
社員全体に占める女性社員の数や割合、既婚者、子供のいる社員の数、女性社員数の増減などを調査。化粧品メーカーや生命保険会社など、女性が多く活躍する企業が軒並みランクインしました。働き方改革など、ワークライフバランス推進に取り組む企業が多く見られます。今回は初めてLGBT(性的少数者)への対応に関する調査も実施。「一般的人権研修のなかでLGBTに触れている」企業が19.3%、「理解促進のために管理職研修を実施している」企業が11.4%という結果になりました。
順位 | 企業名 | 点数 |
---|---|---|
1 | 資生堂 | 85.4 |
2 | 明治安田生命保険 | 84.0 |
3 | 第一生命保険 | 82.7 |
3 | カネボウ化粧品 | 82.7 |
5 | 大和証券グループ | 79.9 |
5 | ワコール | 79.9 |
7 | 三井住友海上火災保険 | 75.8 |
7 | SMBC日興証券 | 75.8 |
7 | NEC | 75.8 |
10 | 日本生命保険 | 74.4 |
10 | 住友生命保険 | 74.4 |
女性活用度調査の詳細は、『日経WOMAN』2016年6月号(5月7日発売)で詳報しているほか、日経ウーマンオンラインでもサマリーを掲載しています。
※調査概要/2016年1月~2月中旬に、上場企業など国内有力企業4305社を対象に日経BPコンサルティングが実施。534社から回答を得た。設問や採点基準は審査員(東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス主任研究員・渥美由喜氏、日本女子大学教授・大沢真知子氏、キャリアン代表取締役・河野真理子氏)と本誌編集部で定めた。
【お問い合わせ先】
本リリースに関するお問い合わせは、日経BP社『日経WOMAN』編集部(電話03-6811-8912)にお願いいたします。
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