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ユーモアで切り返せ! トランプvs.クリントン「テレビ討論対決」勝負の分かれ目(1/6ページ)

2016.10.05

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史上初の「本選」における討論会

 2016年9月27日。アメリカでトランプ氏 vs. クリントン女史によるテレビ討論会が始まりました。アメリカ大統領選挙において、極めて重要な意味を持つのが「テレビ討論会」。この勝敗が、選挙の動向に大きな影響を与えることになるからです。

 歴史を振り返れば、今でこそ大統領選に討論会は当たり前のように行われていますが、実はこの習慣が根づいたのは最近のことです。

 「討論会」自体は今から150年以上前から行われてきましたが、当時の有権者はあまりこれに関心を示さず、候補者も重要視していなかったため、毎回実施されるのではなくたまに実施する程度。しかも「予備選」で実施されたにすぎず、それが選挙戦の大勢に影響することはありませんでした。

 その討論会が初めて「本選」で行われたのが1960年、あのJ.F.ケネディとR.ニクソンの大統領選のときです。しかも、これまではせいぜいラジオを使った討論会でしたが、今回は、当時普及し始めたばかりの「テレビ」を使った討論会が全国放送で実施されたのです。これにより、それまで各地を遊説して回っても、それを直接聴きに来た有権者にしか伝わらなかったものが、たった1回の演説で全有権者に語りかけることができるようになったのです。

 それだけならラジオも同じですが、やはり「映像」で訴えることができるテレビは、その訴求力がラジオとは段違いです。つまりテレビは、「宣伝効果絶大」というメリットと同時に、ここで失言・失態をさらせば「取り返しがつかないほど致命的」という“諸刃の剣”だということを意味しています。

 ところが、当時のニクソン陣営はこのときまだこうした「テレビの訴求力」「恐さ」が認識できていませんでした。従来の古い考え方のまま「討論会の武器は弁舌!」とばかり会場に現れたニクソンは、服装にも気を遣わず、連日の選挙戦の疲れで目にクマを作っていたにもかかわらずノーメークで、見るからに疲れたような、ふてぶてしいツラ構えで臨んだのです。

 これとは対照的に、ケネディはもとより男前なのに、さらにばっちりメークで服装も見栄えするように気を使い、見た目と若々しさを強調させます。弁舌では老獪(ろうかい)なニクソンに勝てないと踏んで、見た目のアピールで勝負を試みたのでしょう。

 いわば「中身で勝負」のニクソンと、「見た目で勝負」のケネディ。これは「美人コンテスト」などではない、これから4年間合衆国を背負うことになる最高行政官を選ぼうとする場なのですから、常識的に考えれば「見た目なんかどうでもいい、中身で勝負」のニクソンの圧勝かと思うところです。

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