AGING Web

トップページ > AGING INNOVATOR 超高齢社会対応の先駆者たち > かかりつけ医を中心とした地域医療体制の再構築が必要
Good Doctor NET メンタルヘルスとリワーク
  • 1
  • 2
  • 3
 

かかりつけ医を中心とした地域医療体制の再構築が必要

日本医師会会長 横倉義武 氏

取材:日経BP社21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也
構成:AGING SUMMIT取材班 赤堀たか子
2014/01/29

マイナンバー制の導入には
十分なセキュリティ対策が必要

切れ目ない医療を実現するには、切れ目のない検診・予防が欠かません。これを実現する上で必要なことはなんでしょうか。

横倉 個々の健康データの継続性が必要です。検診は、その時の健康状態をチェックするだけではありません。健康状態のデータを見ることで、将来かかりうる病気を予測し、それを予防するための受診勧奨や生活習慣改善の指導などの対策を行う必要があります。そのためにマイナンバー制度は有効ですが、その活用に当たっては情報の管理が極めて重要になります。

番号を診察履歴等の医療情報と結び付けて活用することには、プライバシーの問題、個人の健康情報の漏洩の問題、受診抑制等の管理医療への懸念など、さまざまな問題点があります。こうした問題に対応するために、日本医師会では、医療分野における番号の利用については、次の大原則に則って行われるべきだと考えています。

1. マイナンバー制度における情報連携の範囲と医療分野における情報連携の範囲は
    明確に区分する必要がある。
2. 医療分野における個人情報保護の個別法を制定した後、医療分野における
    医療等IDの検討を実施する。
3. 個別法は、操作・閲覧資格のない者のアクセスや不正な照会を行った者に対する
    厳しい直罰規定や遺伝子情報の取り扱い、それらを監視する第三者機関の設置な     どを含む、未来を見据えた法体系とすべきである。

地域医療連携や生涯を通じた個人の健康管理のために医療等IDは有用なツールと考えますが、唯一無二の個人IDではなく、個人が複数のIDを持てる方策を検討するなど、議論の余地は大いにあるでしょう。また、制度導入の目的は個人の管理ではなく、日本における健康寿命の延伸を目指すなど、明確に公益に資する利用とすべきです。

かかりつけ医主導で
コミュニティ単位の健康増進を

超高齢社会を考えるとき、支える側の若い世代について、どのようなケアや支援が必要だとお考えですか。

横倉 公教育にもっと投資をし、社会で貢献できる人材を育てることが必要でしょう。若者の雇用や労働市場を立て直し、結婚して家庭を持てる社会に戻していかなければなりません。同時に、命についての教育も必要です。若い世代を対象に、死生観、終末期の話をし、家での看取りを身近なものにしていく必要があります。すでに地域の医師会ではそうした取り組みも始めています。

また、今、若い人たちの健康が問題になっていますが、もっと小さい頃から食事や運動などの生活習慣を確立する必要があります。そのためにはコミュニティ単位で、日常生活も含めた地域住民の健康指導を行っていくことが大切です。そして、その中心的役割を担うのが、かかりつけ医だと考えています。

  • 1
  • 2
  • 3

Copyright(c) Nikkei Business Publications,inc. All Rights Reserved.