日本もアストロFで赤外線天文観測に乗り出す
すなわち今見えている光は100億年前の天体が放ったものだ。「当時の宇宙で見つかっていたのは,極端に明るい銀河だけ。今回初めて,100億年前の標準的な銀河の姿を観測できた」と,東京大学天文学教育研究センター助教授の小林尚人さんは言う。 今回の観測でわかった100億年前の空間当たりの銀河の個数は,現在とあまり変わらない。これは,銀河同士が衝突を繰り返したのではなく,“静かに”進化したという説を裏付ける証拠の一つとなった。 また,名古屋大学が南アフリカ共和国に建設した近赤外線望遠鏡「IRSFシリウス」は,すばるとは目的が異なり,宇宙をくまなく観測して“地図”を作り,特徴のある天体を探すことが主な使命だ。
そして,日本も2006年には宇宙からの赤外線天文観測に乗り出す。その担い手は,宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げる赤外線天文衛星アストロFだ。 スピッツァー宇宙望遠鏡が主に狭い領域を細かく観測するのに対し,アストロFは全天をくまなく観測して地図を作ることを得意としている。 「これまでの赤外線の全天地図に比べて数倍から数十倍高い解像度の地図を作成できる。その地図から,新しい魅力的な天体がきっと見つかるはず」と,JAXAのアストロFプロジェクトマネージャーである村上浩さんは期待する。 (芳尾太郎=ナショナルジオグラフィック日本版編集部)
以上の記事はナショナルジオグラフィック日本版特集からの抜粋です。
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