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自然を楽しむ
懐かしい日本がここにある!<その2>~おいでなんし、段々畑と人情の南牧村へ~
2007/12/19

 定年後の田舎暮らし! そう考える人は何を求め、どんな生活を夢見て田舎を目指すのだろうか? すでに移り住んだ団塊世代が活躍しているのは、群馬県甘楽郡南牧村。古きよき「日本」の風景と人情が残された村でありながら、新しい住民と村人が共に村おこしイベントを計画し、新しい文化を育てようという試みも始まっている。

村一丸となって「段々畑コンサート」を開催

 前回紹介したように、松戸から4年前に夫婦揃って南牧村へ移住してきた米田優さん(59歳)は、現在、村内で蕎麦屋兼居酒屋「かじか小屋」と、体験民宿「かじか倶楽部」を経営している。最初は自然の中で暮らすだけでいいと考えていた米田さんは、なぜ、南牧村で商売を始めようとしたのだろうか。

 「都会から見ればすばらしい風景と人情にあふれた場所なのに、そのよさが、そこで暮らす人には当たり前すぎてわからないということがよくあります。だから、村の人と話すと、つい『こうすれば?こうしたらいいよ』などと意見をしてしまうのです。でも、口だけというのは嫌だった。言ったからには実践して、地域活性化に役立ちたいと思いました。それで店と民宿をオープンさせたのです」。

 さらに、米田さんには別のアイデアもあった。南牧の象徴であり、先人の思いまでも詰まれた石垣と段々畑、その素晴らしさを広く知らせ、価値を認識しようという試みだ。やるからには、外からたくさん人が来てよかったというだけに終わらせず、村の力をまとめる機会になればという気持ちもあった。

 そこで考えたのが、「段々畑再生コンサート」だ。村内12の集落それぞれから実行委員を出すことを提案した。直接知り合いがいる集落では、これぞと思う人に声をかけ、知り合いがいない集落は、友人たちに頼んで、実行委員になってもらうよう依頼してもらった。その結果、集落すべてから実行委員を集めることができた。30代から60代まで、もっとも地域を動かせる世代が集まったことは何より心強かった。

2007年8月に開催された段々畑コンサート (写真提供:米田優さん)

 こうして、2007年8月、ついにコンサートが実現した。歌手は群馬出身のシンガーソングライターMIKIさん。好天にも恵まれ、村の内外から200人を超える人々でにぎわい、大成功。ステージも案内板も、準備はすべて全員が仕事をしながら進めた手作りのコンサートだった。

 米田さんは、「何がうれしかったって、成功したのはもちろんだけど、関わった村の年配の方が、うっすら涙ぐみながら『やればできるんだのう』と、ぼそっと言ってくれたこと」と語る。実行委員はその後も解散せず、今後も、村おこしについて話し合うメンバーとして継続することになった。12月には「村おこし塾」を開催予定。村おこしのためのNPO設立も視野に入れているという。


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