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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第52回 花見酒
2009/03/27

花見といえば桜ではなく酒

 今日はちょいと宣伝から入らせて頂きます。わたくしの師匠、柳家小三治をドキュメンタリー映画の題材として選んだという奇特な方がおりまして、3年にわたって追いかけたものがこの度公開となりました。

噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 すでに1カ月ほど上映をしておりますが、なかなかの盛況のようです。「小三治」と検索して頂くと映画の情報にもたどり着くと思いますので、ぜひお近くに上映の機会がある方は足を運んでみてください。私がこれまでちらほらと書き漏らしてきた「噺家」というもののさまざまな現象が垣間見えるかもしれません。

 さて、昨年の今頃のおはなしですがやはり時節柄おなじみ「長屋の花見」をご紹介いたしました。その他にも花見を扱った噺は幾らもあるということで、今年はその中から「花見酒」という噺を取り上げてみたいと思います。とっても落語らしい、ばかばかしい噺でございます。

 花見といえば桜。これはかなり気取った人のご意見ですな。正常な日本人であれば花見すなわち「酒」ということになっております。

 これは伺った話なんですが、太平洋戦争開戦の昭和16年、何から何まで国民の生活の締め付けがはじまったそのときに「昼間は酒を飲んではならぬ」というようなお達しが出たんだそうです。そのお達しはすぐに付帯条項がつきまして「ただし花見はこれにあらず」となったとか。

 あの時期の軍部をもってしても国民から花見の酒を取り上げることはできなかった、つまり有名な句「酒無くてなんの己が桜かな」は政府の公式見解として存在しているのでありました。

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