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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第51回 夢の酒
2009/03/13

今回は夢のお噺

 はー、よかった!何がって?三月になったからですよ。やっぱり春は嬉しいですよねえ。本当に嬉しい。

噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 と、素直に喜んでいた頃がとても懐かしく思い出されます。春が嬉しいことは変わりありませんがそれと引き替えに厄介なものを背負い込みました。花粉症です。読者の花粉症仲間のみなさま、本当にお互い大変ですね。とにかくもうしばらくの間、お互い頑張ろうではありませんか。花粉症なんてどこ吹く風のみなさま、心からお喜び申し上げます。そしてお恨み申し上げます(笑)。

 春の噺はそれはもういろいろあるんですが、今日は「夢の酒」という噺をご紹介いたしましょう。

 「春眠暁ヲ覚ヘズ」、というのは抗アレルギー剤由来の眠気が人類を襲う以前からある言葉ですから、やっぱり春は眠たいものなんでしょう。もしかすると「春はいつまでも寝ていたい」という願望を表したものなのかなと勘ぐってしまいます。冬から春への季節の変わり目は、朝だけでなく一日中、人をゆらゆらと眠りに誘うほどのやわらかな魅力を持ち、私も大好きな季節です。

 春先は寄席の客席でも眠っている方が多いような気がします。いいんですよ、寝てても。イビキはこまりますが、寄席の客席で眠るというお客様の楽しみを奪いたくはありません。ですから楽屋には「お客を寝かすようでなきゃ名人とは言えない」なんて妙な格言があったりして。

 暖かい柔らかい蒲団の中で眠るのはもちろんですが、春はやっぱり居眠りがいいですな。うっかり冷えて風邪を引かない程度にふわふわと意識を落とす、そんなときにはやっぱり夢を見ることが多いようです。熟睡から覚める過程、つまり目覚めへ向けて見る夢と、ただただ浅瀬を行き来する時の夢ではなんとなく見る夢も性質が違ってくるから不思議です。

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