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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第50回 言葉はなんのためにある?
2009/02/27

言葉が伝わるか

 まず冒頭に本稿が50回目を迎えることをご報告いたしまして、読者の皆様のご贔屓に改めてお礼を申し上げます。100000字・250枚の一言ずつに自分なりに心を込めて書いたつもりではありますが、まだ単行本にしましょうというお話しはちらりとも出ておりません(笑)。これからもディスプレイ越しのお付き合い、どうぞよろしくお願いいたします。

噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 これをお読みになっている方で「わたしは聞き上手にも話し上手にもなりたくない」と思っている方はいないのではないでしょうか。言葉の勉強は、一生です。学校を卒業してからが本番と言ってもいいくらい。だから学校はその入り口をしっかりとやっておく場所です。

 仕事柄、年間30校以上の学校に伺って、感じることがあります。以前からわたくしは、生徒さんは同じ教科書で同じ勉強をしているのだから日本語である落語を楽しむ能力はあまり変わらないと思っていました。ところがそうではないんですよ。もうひどい時には帰りたくなっちゃう。別に聞く態度が悪いってのはどうでもいいんです。やんちゃな子供たちは大歓迎。逆に全く私語のない、一見お利口さんにみえる集団ほど危ないんです。

 伝えたいことが伝わってはいないのだと、ひしひしと伝わってくる。この空しさ。

 終演後、「うちの生徒は鑑賞態度がいいんですよ」と先生。廊下には「あいさつをしよう!」という張り紙。でも先生、今日私にあいさつを返してくれませんでしたね。生徒さんはとりあえずあいさつをしてくれるよう仕込まれていますが、私の目をみてくれませんよ。

 もちろん、全く逆の学校もあるんです。一日中幸せになっちゃうくらいいい生徒さん、先生もいらっしゃる。だから問題なのは学校によるギャップです。義務教育の根幹に関わる問題ですが、私は教育評論家じゃないので、このくらいにしておきましょう。

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