ここから本文です
噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第38回 行けない人のための廓の世界
2008/09/05

無一文でも遊ぶ意気込み
噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 残暑ざんしょ。心からお見舞いを申し上げます。あと少しの辛抱ですよ、お互いにがんばろうではござんせんか。さて、今回も廓噺の続きをいたしますが、さあどうしたものかと思案橋、あまり噺の種明かしばかりしていても芸がないからと、沸騰した脳味噌でいろいろ巡らしてみました。

 吉原は「遊女三千人御免の場所」と申します。お女郎さんの数が三千人いたということですね。前回お話しした「廻し」を駆使したとしてもどうでしょう、吉原では一万人の男が一夜の夢を享受できたかどうか。定員はさておいても、廓遊びには大なり小なりお足のかかるものですから、お金がなければどうしようもない。「一日に三千両のおちどころ」という川柳にもあるように、江戸では芝居町・魚河岸・吉原に各千両ずつ、三千両ものお金が動いたんだそうです。金がすべての世の中というのは昔も今も変わりはなかったのでしょうかねえ。

 でしょうかねえ、と書いたのには訳がございます。原則として遊びというのは金のかかるものですが、昔の人たちは無一文でも遊んでしまおうという意気込みと知恵を持っておりました。特に噺の中に登場する人たちは、そういうことにはやたら長けているんです。そんなわけで今回は噺の中にも多数出てくる「行けない男たちの廓の世界」をご紹介しようと思います。

 行けない男たち、には大きく分けて二種類ございます。一つは「行けないけれど行ってしまおう」派、そしてもう一つは「行けないからやっぱり行けない」派。前者のキーワードは「騙し」「機転」、後者は「妄想」「ひやかし」、これを示しておくことにしましょう。

1ページ 2ページへ 3ページへ 次のページへ
この記事のバックナンバーを読む
 
「セカンドステージ マガジン」 配信開始
セカンドステージでは,HTMLメール「セカンドステージ マガジン」の配信を始めました。毎週1回水曜日に配信いたします。
サイト上の更新情報やイベント,セミナーの情報をお送りするとともにメールならではの特典,イベントの提供をいたしていく予定です。
メール配信をご希望の方はこちらのページからで配信登録をお願いします。

→バックナンバーはこちら

セカンドステージ メールマガジン
サイトマップを見る
セカンドステージ連載一覧


日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る