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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第37回 「五人廻し」でぐるぐる廻る
2008/08/22

花魁は一晩で複数のお客さんを相手に
噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 今年は夏休み中の寄席にお子さんの姿が目立ちました。落語協会のホームページにも「我が子にも落語を」という親御さんからのお問い合わせ。「寿限無寿限無・・・」の言い立ては噺家によって違いますが、どれが正しいものなのでしょうか。子供にチキンと教えたいので。というご質問には私ならこう答えます。

 どちらも正しいのです。落語は「合っているとか間違っている」を超えたところで味わっていただくものなので、どうぞご自由になさってください、と。戦後の教育に異を唱えるつもりは毛頭ございませんが、たった一つの正解を導き出す「学問」と平行して「世の中というもの、正解はひとつではない」ということをこれからの子供たちに教えていってほしいものです。

 さてさて、今回は予告通り「廻し」についてのあれこれです。

 前回お話した「明烏」の一節に、翌日の「烏カァ」の後に出てくる「女郎買い 振られた奴が 起こし番」という川柳があります。先ほど挙げておきましたもう一つのしきたり「廻し」のしきたりが引き起こす悲哀を詠んだものです。女郎買いに行ったのにお女郎さんに一目も会えなかったということが、昔はあったのです。いい思いをしたのは時次郎だけで、源兵衛・太助は何の成果も上げられず、ただ時次郎の起こし役だった、というわけですな。

 夜遊びとなりますと女郎屋に泊まるということになります。ということは一晩中花魁を独り占めにできると思うじゃないですか。ところが どっこい、この「廻し」というシステムは一人のお女郎さんが一晩で何人もの男性を相手することを可能にした画期的?なものでございました。

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