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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第34回 廓噺へのお誘い
2008/07/04

江戸の落語で「廓」というと「吉原」
噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 夏はもうすぐそこまでやってきています。

 今年の夏の本稿をどういう風にしようかと思案しておりますが、昨年夏の噺をいくつかお届けしていますので、今年は是非それらの噺を生でお楽しみいただくという夏の課題をご提案しつつ、こちらの方はマイペースで「廓噺」の世界を少し泳いでみたいと思います。

 お古い落語ファンの皆さんは「なぜ一年以上も廓噺を取り上げないのか」と憤慨されている方もいるかもしれません。お待たせいたしました。何しろこの「落語の世界へようこそ」は落語入門として表面をさらりとなぜるということよりも、岩にしたたる雨だれのように少しずつ、落語を削り取っていこうというものでございますので、たどり着くまで時間がかかってしまいました。どうぞ嬉々としておつきあいいただければ幸いです。

 どなたにもお読みいただけるものとして「廓」の話をするのはちょっと緊張いたしますな。落語がお好きな方なら「女郎買い」の心を理解していただいていると信じておりますし、また噺家でそれを否定するものは多分、噺なんかはやっていられないでしょう。でも世の中にはいろいろな考えがありまして、現在我が国では昔のような「買う」は存在してはいけないことになってます。

 かといって、「買う」を歴史ある噺の世界の過去の遺産として取り扱うのは、今を生きる噺家としてできることではありません。噺はいつでも今の心で演じられるべきで決して古き良き昔話で終わってはならないのです。

 江戸の落語で「廓」といいますと、「吉原」です。かつて日本橋にあり葭がうっそうと茂っていた場所を切り開いたところから「葭の原」なんて呼ばれていたのが幕府の政策で今の場所、台東区千束のあたりに移った頃でしょうか、いつの間にか「吉原」となりました。

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