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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第32回 寄席の主任、しゅにん?
2008/06/06

中入り後、最初の出番は「クイツキ」
噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 はい、中入りを頂戴いたしました。みなさま、まもなく開演いたします。

 テテンガテンテンテン……。開演の時と同じように太鼓が入りまして、出囃子とともに幕があがります。

 ここの出番のことをわれわれ楽屋では「クイツキ」と呼んでおりまして、これには諸説ありますが、休憩中からお客様がいろいろなお召し上がりものをなさる、そして休憩が終わってもまだその途中である、つまりお客様がまだ何かに「食いついている」からという実に面白い由来がございます。

 このクイツキの芸人は休憩で一度リセットされた寄席の空気をまた元に戻すという役割を担っています。ですから割合若手の、元気のいい芸人が割り当てられることが多いようです。寄席の経営者であるお席亭が、今こういう人に注目しているんですという意思表示としてこのクイツキの番組が構成するということもありますから注目に値します。

 中入りは寄席の番組の真ん中にあるわけではありません。これは相撲と同じで、中入り後の時間はあっという間に結びの一番、寄席ですと「トリ」へ進んでまいります。よくわれわれが、

「今日の出番?夜席の浅いとこだよ」
「そっか、じゃあ終わったらちょいと呑みに行こうよ」

 なんという会話を交わしたりしますが、中入りから後の時間あたりはあべこべに「深い」という風に表現いたします。深いところに出られるようになるというのは寄席芸人の目標の一つでもあります。そのわけは後の話を聞いていただければわかります。

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