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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第31回 寄席の流れに身をまかせ
2008/05/23

寄席の進行は太鼓で合図

 間もなく6月。九州あたりは間もなくですが、うかうかしていると関東あたりも梅雨入りの声が聞かれるようになりますね。子供の頃にあんなにはしゃいでいた雨降りも、なぜか大人になると鬱陶しいと思うばかり。そんなときには自然に抗うことなく、寄席の屋根の下でゆっくり梅雨をやり過ごすことにいたしましょう。

噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 さて、前回に引き続いて寄席のよしなしごとをそこはかとなく。以前に寄席囃子についてお話をいたしましたが、今回はそれに関連して寄席の一日の進行を追っていくことにいたしましょう。

 今は昔と比べると寄席の番組も時間通りに進んでいくようになりました。われわれ日本人は江戸の昔から世界的にも優れた時間観念を持っていたようです。とはいっても庶民がそれぞれに時計を持っていたわけではありませんから、今よりはずっと大ざっぱなとらえ方だったんでしょうな。明治になって鉄道が現れ、時刻表通りに運行されるようになった頃からわれわれの心の中に「何時までにあれをしなくちゃいけない」という感情が起こるようになったそうですから、時間の追われる私たちの暮らしは、ごく最近に形作られたともいえます。

 さて寄席の進行は主に太鼓で合図が行われ、特に司会進行がいるわけではありません。

 今で言うところの開場時間、だいたい開演の30分前でしょうか。「一番太鼓」という太鼓を何の前触れもなく叩きはじめます。この太鼓はお客さまに聞かせるというよりも、寄席が始まりますよという決意表明のような太鼓です。昔、寄席が町内の人たちのものだった頃にはこの一番太鼓が町にこだますることで「ああそろそろ寄席が始まるんだな」という合図にもなったようです。

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