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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第27回 長屋の花見
2008/03/21

もともとは上方の「貧乏花見」
噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 関東あたりまでは、そろそろ桜の便りが聞かれるようになりました。皆さんもお花見の予定を立てたりしていらっしゃるのでしょうか。わたくしなぞもお客さまから誘われて花見を楽しんだりいたします。

 ぱっと咲いてぱっと散ってしまうところが我々日本人の心を惹きつけて止まないソメイヨシノ。「花」といえば桜と相場が決まっています。「酒」といえばもちろん・・・それはまあいろいろありますが。

 今回は落語十八番の一つともいえます「長屋の花見」を取り上げてみましょう。

 もともとは上方種の噺「貧乏花見」といいまして、二代目の蝶花楼馬楽師匠が東京に持ってきたとされております。運び方はほぼ同じですが「貧乏花見」の方が全部演じると長いものになりますな。東京では途中で切るような形になっておりまして、次から次へと長屋の連中が繰り出す明るい貧乏自慢とそれを「おいおい」とかわしていく大家さんとの構図が東京版の特徴でしょうか。

 出所からみてもわれわれ柳家一門が得意としている噺で、もちろん他の一門も多くの噺家が演じていてそれぞれが工夫をし、今日に至っております。この時期は寄席でこの噺がかからない日は無いくらいですから、是非お出かけになって聞いてみてください。

 大家に呼び集められた長屋の面々、店賃の催促かと思っていたら花見への誘い。食うや食わずの連中がまともな花見など出来るわけがありませんが、大家のおごりということで一同喜び勇んだのもつかの間、もちろん大家もそんな余裕はあるわけがないのです。大家は一計を案じて「擬似的花見」の趣向をしていました。

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