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噺家・柳家三之助の「落語の世界へようこそ」
第23回 初天神
2008/01/25

奥が深い前座噺
噺家・柳家三之助
噺家・柳家三之助

 正月正月と騒いでいるわたしたちもさすがに近頃はふだんの生活に戻ってきました。寒さも本番、体調には十分気をつけたい今日このごろです。

 さて、お正月にちなんだ噺というのもたくさんあるのですが、それらはまたの機会に取っておくことにしてこの時期の噺を一つ、ご紹介いたしましょう。

 「初天神」という噺。

 一日寄席にいれば聴けない日はないというくらいポピュラーな噺です。「寿限無」や「時そば」という一般的に有名な噺でもこの噺と比べると勝負にならないくらい。子供たちにもわかりやすいので、学校公演や土日の寄席などでは必ずと言っていいほど聴けます。

 初天神の主役はおなじみ「こまっしゃくれた子供」です。1月25日の天神様の縁日(初天神)に仕方なく連れて行くことになった父と子の奮戦記。

 本当は父親が一人で行くつもりだった初天神のお詣りですから、子供のさまざまなわがままを誤魔化しながらなるべくさっさと済ませてしまいたい。ところが世の中そう簡単にはまいりません。子供の方はといえば知恵を結集して、あめ玉・お団子、そしてついに凧まで買ってもらうことになります。

 くすぐりと呼ばれるギャグも随所にちりばめられており、前座さんが演じても笑いが多く、季節を表現しないように設定を緩やかにすれば一年中高座にかけても差し支えありません。時間も緩急自在で5分でもできますし、30分以上かけてもできる。これらの理由から一般的には「前座噺」といわれています。

 毎度毎度のお約束で噺のあらすじをご紹介しておりますが、書いてしまえば簡単なのが噺の筋。この記事をお読みのお客さまにはもう少し深く考えていただきましょう。実は「前座噺」といわれるものほど奥が深いものなのでございます。

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