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実力派俳優が顔を揃えたドラマ
モライヨーリ監督は、長年、ユーモラスな作風で知られるイタリア映画の巨匠、ナン二・モレッティ(『赤いシュート』『息子の部屋』)の助監督をつとめていました。登場人物によせる、温かくもほろ苦い視線は、師匠譲りです。 彼は主人公に、演出家としても俳優としても実力派のセルヴィッロを起用。「彼と共演できる」ということで、出番は多くなくても重要な役に、主役級の俳優たちを引っ張り出すことができたそうです。 この作品は、イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を作品賞、監督賞など10部門で受賞。これは、世界的な大ヒットとなった『ニュー・シネマ・パラダイス』や『ライフ・イズ・ビューティフル』でも達成できなかったことです。 人間ドラマと並んで印象的なのが、イタリアの風景でしょう。静ひつな湖の風景は、微妙な心理に踏み込んでいくのとは逆のベクトルで、心を安らげてくれます。 切ない物語の最後には、希望の光もあります。まさに私たちと同世代が主人公になり、「人生には、いくつになっても新しい展開がある」と思わせてくれるのは、成熟したイタリア映画ならではの魅力だと思います。
(笠松 綾)
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