苦しい練習より,日々脚を鍛える運動を
「まず,基本的な知識として知っておいていただきたいのですが,初心者の方が長距離を走っていちばん最初に痛くなるのは,脚なんです。心肺機能が苦しくなってリタイアすることはほとんどなく,脚が痛くてリタイアするケースのほうが断然多い。つまり,事前の準備としてやるべきことは,まず脚の筋肉をつけることなんですね」 着地するときにくる地面からの衝撃。これを受け止めるための脚の筋肉をつけることが,何よりも大切なようだ。 「そのためには,まず歩いたり走ったりすることが必要になってきますが,このときに速く走ろうと思わないことです。とにかく続けないと脚の筋力がつきませんから,最初から苦しいことに挑戦しないこと。心肺機能を強化するのが目的ではありませんから,ゆっくりでもいいんです。とにかく日々,脚を鍛えることから始めてください」 鍛えることは,日常の生活の中でもできるようだ。 「日々の移動でも,ちゃんとマインドを切り替えてやれば立派な運動になります。楽な体勢でだらだら動くだけではダメですが,背筋を伸ばしてパッパッと歩くようにすれば,これでも充分鍛えることは可能。また,椅子から立ち上がる動作一つとっても,腹筋,背筋,脚の筋肉を意識すればこれでも運動になるんです」 脚の筋肉をつけるといっても,一朝一夕でできることではないが,今からでもやるとやらないのでは大違いだとか。 「2カ月もあれば,まったく何もしないのとでは全然違いますよ。こうやって体を動かして筋力をつけていけば,ホノルルマラソンがより楽しくなります。日々の訓練は,本番をより楽しむため。こう思って続けてもらいたいですね」
ホノルルマラソンに参加することも,日々,トレーニングすることも誰かに強制されているわけではない。すべて自分が楽しむためだ。ただ,より楽しむためには準備が必要ということに過ぎない。 菱沼さんをはじめとするホノルルマラソンに挑戦しようと思う人には,楽しみながら日々のトレーニングを積み重ねていってもらいたいものだ。 (岡部敬史)
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