

![]() ![]() 2009/03/12
本編中の歌はすべて吹替えなし
ビートルズの楽曲を映画本編に使うことは、制作側にとっては相当難儀なことと思う。監督等の当事者の思いがどれほど強かろうと、狙いがいかに明確であろうとも、大半の楽曲は世界各国の人々に知れ渡り、それぞれのイメージがほぼ固まっているだろうし、下手をすればコアなファンから総スカンを喰らいかねない。そうした点では、かなりリスキーなチャレンジといっていいだろう。 それを見事にやって成功させたのが、女流監督ジュリー・テイモア。独特のタッチでミュージカルに仕立てられた「アクロス・ザ・ユニバース」がそれだ。メキシコの女流画家の半生を描いた「フリーダ」や、ブロードウェイミュージカルでお馴染みの「ライオン・キング」の演出家として知られ、まさにビートルズ世代の監督であるジュリー監督の選んだビートルズ・ナンバーは、全33曲。大ヒットしたお馴染みの曲が並ぶ一方で、かなりの通でなければ思い出せないような佳曲まで、実に幅広い選曲といえよう。 主演の二人、エヴァン・レイチェル・ウッドとジム・スタージェスは、これからどんどん第一線に進出するであろう期待の有望株といったところ。本編中の歌は、すべて彼らが吹替えなしで臨んでいるというから頼もしい。しかもほとんどが同時録音で、アフレコは極小というから天晴れだ。 本作のもうひとつの楽しみは、ロックミュージシャン数名が怪しげな人物の扮装で劇中に登場すること。ボノ(U2)やジョー・コッカーなど、声を聴けば即座に誰だかわかってしまうようなところが微笑ましい。この他にも配役名や場所など、たくさんの“ビートルズ・トリビア”に溢れているところが、ファンにはたまらないところだろう。
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