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ブラックユーモアたっぷりのお伽話「チャーリーとチョコレート工場」

 デップ扮するチョコレート工場のオーナーで天才的ショコラティエ,ウィリー・ウォンカは,長いこと外界との接触を断っていたが,自社のチョコレートの包みに招待状「ゴールデンチケット」を忍ばせ,それを引き当てた5人の子供とその保護者を工場見学に招待すると世界中に発信した。その背景には,自身と工場の将来を案じ,後継者を探すという企みがあったのだ。

 ゴールデンチケットをゲットした5人のうち,貧しい家庭に育ったチャーリーを除く4人は,揃いも揃って憎たらしい“ガキども”だ。ドイツの肥満児,英国の金持ちのわがまま一人娘,勝つことだけに執着するスポーツ中毒の女児,TVゲームおたくの屁理屈男児。まさしく現代っ子の典型的サンプルのそろい踏みである。

 子が子なら,親も親だ。子供の自己中心的な行動や言動を諭したり叱ったり一切しない(唯一まともそうなのは,TVゲームおたくの父親)。そんな子供らだから,工場内でもやりたい放題。ところが,工場内の巧妙な仕掛けに次々とはまっていく。

 そんな自己中心的な子供たちを蔑むように見るウォンカ。困惑しているような表情の裏に,苦笑が見え隠れする。おまけに子供がワナにはまる度に登場し,皮肉たっぷりの歌詞で歌い踊る小さな人間ウンパ・ルンパ族の,その歌と踊りの滑稽なことこのうえない。アフロキューバン調,ヒップホップ風,牧歌的フォーク調,ヘヴィーメタルロック風など,さまざまなメロディーとリズムに乗って子供たちを罵るのである。この一連の課程が冒頭申し上げた虐待行為なのだが,一方でこれこそバートン監督が鳴らす警笛なのである。

 なぜ,こうまでして子供を貶めるのか。それが,この映画のテーマである「家族愛」や「家族の絆」の確認への伏線なのだ。子供がこうなってしまったのは,だらしなく,ずる賢く,醜い大人の社会が原因。それに嫌気がさして工場にこもったウォンカは,子供の気持ちのまま成長してしまった。友達に対して意地悪やイタズラをするのと同じ感覚なのかもしれない。そんなウォンカに,それではいけないと,家族と共に生きることの幸せをチャーリーが気付かせるのだ。


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