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知っておきたい 得する医療の常識
“タバコをやめたい人は必見! 話題の「禁煙外来」に行ってみた!
2006/10/04

 2006年4月から,保険診療上に「ニコチン依存症管理料」なる項目が設置された。タバコをやめたい人は,医療機関を受診すれば健康保険を使って喫煙をやめる“治療”が受けられるようになったのだ。

溝尾朗先生
溝尾朗先生

 喫煙習慣を「単なる個人の嗜好の問題」とせず,ニコチン依存症という立派な(?)疾患とみなして公的に治療しようというものだが,どのような治療が受けられるのか,成功率は? 費用は? など色々と気になる点も多い。

 そこで,東京厚生年金病院で「禁煙外来」を担当する呼吸器科・溝尾朗先生に,禁煙治療の実際を聞いてみた。

 溝尾先生によれば4月以降に「禁煙外来」を受診したのは約50人。「まだ期間が短いので,最終的な禁煙成功率は出ていませんが,だいたい8割の方が禁煙を継続されています」という話だ。ちなみに,先生の外来を受診した最高齢は92歳。「70年間,日に50本喫煙していたそうです。スーッとやめられましたよ」

禁煙外来の保険対象者とは?

 禁煙外来について簡単に説明しよう。「ニコチン依存症」との診断を受けた患者に対して,医師が「ニコチンパッチ」などの禁煙補助剤を処方し,禁煙治療を行なう専門外来のことだ。

 健康保険を使って治療を受けるには,以下の3条件を満たすことが前提となる。(1)ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と診断される(2)ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上ある(3)ただちに禁煙することを希望し,「禁煙治療のための標準手引書」に則った禁煙治療プログラムについて説明を受け,当該プログラムへの参加を文書にて同意する。

 (1)のTDS(Tobacco Dependence Screener)とは,ニコチン依存度を測るスクリーニングテスト。「自分が吸うつもりよりも,ずっと多く煙草を吸ってしまうことがある」「思い病気にかかったときに,タバコはよくないとわかっているのに吸うことがあった」など10の質問にYES/NOで回答する。10項目中5項目以上がYESだと,ニコチン依存症と診断される。

 日本循環器学会,日本癌学会,日本肺癌学会が作成し,ホームページ上でも公開されている(無料ダウンロード可)。日本循環器学会のHPへのリンク(http://www.j-circ.or.jp/kinen/anti_smoke_std/

 (2)のブリンクマン指数は例えば,「現在50歳。20歳のときから1日1箱吸っている」人の場合,20本×30年=600となる。

 (3)の「ただちに」とは,およそ1か月以内に禁煙する予定であること。
溝尾先生によれば,禁煙外来を受診した当日,あるいは翌日から禁煙を実行する人のほうが,禁煙成功率が高いそう。

 なお,保険診療を行う医療機関についても,「禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること」「医療施設内が禁煙であること」などの条件が定められている。また,禁煙の成功率を地方社会保険事務局長へ報告しなければならない。

 治療に使う「ニコチンパッチ」とはどのようなものだろうか。正式な製品名は「ニコチネルTTS」。タバコを吸う代わりに皮膚からニコチンを吸収させ,離脱症状を抑えながら,最終的に禁煙まで持っていくための“貼り薬”だ。

 朝,起きたときに1枚貼り,翌朝貼りかえるのが基本の使い方。就寝中に貼付したままだと気分不快や不眠などの症状が現れやすいので,寝ている間ははがすよう指導することもある。

 パッチは,含まれるニコチンの量により全3種類。標準的な処方は,一番大きい「30」を4週間使用。その後,「20」を2週間,「10」を2週間使用し,最終的にパッチなしでも禁煙していられるようにする。

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