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桐たんすは「収納の王様」 その効能と用途を知る~桐たんす「相徳」社長 井上雅史さんに聞く~

保存に最適、驚くべき桐の特性

 桐の最大の特長は、湿気を通さないことだと井上さんは言う。桐は吸水率が低く、透水性が低い。「桐は周囲に湿気があったり水に濡れたりすると、すぐに反応して表面が伸び縮みします。しかし構造上、水分を中まで通さないのが特徴なのです」。

 井上さんに見せてもらった桐の組織細胞の断面図によると、桐の木の組織は「あみだくじ」のように、ストライプ状の繊維にいくつもの横筋が段違いに入っている。他の木と異なり、この不規則な横筋こそが水分を通しにくくしている要因だ。

 また桐は材質が全体的に均一なので、精密な加工にも適している。どの部位も湿気を通しにくいのだ。井上さんは研究機関に依頼して、桐たんすを使った湿度の比較など様々な実験を行い、学会での発表も精力的に行っている。

 「日本は湿度が高いので、大事な品物を保管する時に一番心配する必要があったのは、湿気でしょう。カビが生えたらおしまいですから。そんな気候風土の中で、保管用の箱に桐が選ばれたのです」と井上さんは説明する。

 「最近では安いからという理由で、今は中国や米国、ブラジル産の桐を使った製品も出回っていますが、そもそも外国と日本の湿気は違う。育つ桐も違ってくる。だから同じ桐でも、日本の桐と外国の桐ではずいぶん違うのです」。

 ちなみに相徳では、主に国産の桐、中でも会津桐を使用している。それにしても、科学的な実験もできなかった時代に、私たちの先祖は一体どうやって桐の適性を嗅ぎ分けたというのだろう。


 
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