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2007/03/30
着物と一口に言っても,色々な切り口がある。歴史,文化,職人技,文様など。着物を着た時のしぐさにも,洋服と違う特徴がある。しかもすべては境界線を持たず,私たちはその中を自由に往来できる。 「夫婦で愉しむ和の世界」,今回はこうした数ある選択肢の中で,「男と女」という視点から着物を見ていきたいと思う。また,着物を語る時には「色気」も大事。着るものに生気を吹き込み彩るのは,他でもない着る人の「色気」なので,これにちなんだ話も取り上げていく。 余談だが,先日16年ぶりに来日したシャンソン歌手,シャルル・アズナブールのコンサートに行った友人が,しみじみとこう言った。「彼のしぐさは,アーティストとして磨かれ続けてきたものや。でもそれを踏まえても,彼には『洋服』がめっちゃ似合ってんねん」。わざわざ「洋服」というほど,彼女の中ではアズナブールの洋装が別物のように際立って見えたようだ。たとえば彼がジャケットを何気なく脱いだり,手にひっかけたり…というしぐさが,「実にキマッている」というのだ。 アズナブールのような仏蘭西(フランス)の小粋な着こなし,英吉利(イギリス)のダンディなスーツ姿,亜米利加(アメリカ)のカジュアル感,また伊太利亜(イタリア)の原色遣いのセンスなどと同様に,日本人がすぐに手に入れられる素晴らしい着こなしのためのツールは,着物にあると私は思う。したがって「日本人だから,着物を着よう」という発言も一見無責任なようだが,ある意味では非常に的を射ている,と思っている。 日本人であるがゆえに享受でき,グローバルに胸を打つことができる「お国限定ツール」を,もっと使ってもいいのではないか。コラムをお読みいただくことで,「着物というのは,着甲斐があり,そして素敵なものだ」と心が動くようになれば,と感じている。 構造に見る,男と女の着物の違い
現代の着物で,男女で大きく違うのは「おはしょり(お端折り)」と「身八つ口」「振り」の有無だ(帯の幅も男女で違うが,一目瞭然なのでここでは省く)。 1.おはしょり 着付けるときに,着丈より長くて余った布を腰の辺りでたくし上げて紐で締めるが,たくし上げた部分を「おはしょり」という。このおはしょりは,女性の着物にしかない。男性の着物は対丈(ついたけ)といって,余りは腰まわりの内側に入れ込んで仕立てるので,外から見ると着丈通りになる。
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