Q: 戒名については批判もあるようです。 A: 人によっては「なんで死んだら坊さんにさせられなくちゃならんのか」と戒名をつけられることを嫌がります。しかし、多くの人にとっては「戒名」を授かることによって死後に「ホトケさんになって」、死者はよいところへ行けるし、救われる、と信じられたのです。 残された者にとっては、死者に戒名を授けてもらう、ということは最大の供養であると理解されており、それゆえに戒名を葬式で僧侶から授けてもらうということは一大事だったのです。 葬式をされない=戒名をもらえない=死者は成仏できない(浄土へ行けない)と理解されましたから、何が何でも葬式をしなければならなかったのです。 死者またはその霊=ホトケ、と言われるようになったのは中世以降のことのようです。ちょうど仏教が民衆の中に葬祭を武器に浸透していった時期にあたります。 これを迷信、俗信と言うのは簡単ですが、何か遺族の死者に対する気持ちの必死さが見えるような気がするのです。 葬式には遺族の死者に対する必死さもあったし、僧侶もその遺族の想いに応えようと熱心に係わりました。だが今はどうでしょうか? ◇ ◇ ◇ これで通算62回に及んだ私の連載は終了します。最初は12回くらいの連載のはずが、皆さんが読んでくださったおかげでここまで回を重ねることができました。 このたび講談社+α文庫から『「お葬式」はなぜするの?』(税込780円)が発売になりました。このシリーズが母体となった『お葬式・お墓で困らない本』(税込1575円、大法輪閣)同様、今度は本を通じてお会いできればうれしいです。 ありがとうございました。 (碑文谷 創)
筆者プロフィール
碑文谷 創(ひもんや・はじめ) ジャーナリスト。1946年岩手県生まれ。東京神学大学大学院修士課程中退。出版社勤務の後、1990年表現文化社(当時・表現社)設立。雑誌『SOGI』編集長を務めるかたわら、死や葬送関係に関する評論ならびに講演活動をテレビ・新聞・雑誌等で展開。 著書は『新・お葬式の作法~遺族になるということ~』(平凡社新書)『死に方を忘れた日本人』(大東出版社)『葬儀概論』(表現文化社)『「お葬式」の学び方』(講談社)ほか。監修『お葬式』『自分らしい葬儀』『冠婚葬祭暮らしの便利事典』(小学館)ほか。共著『仏教再生への道すじ』(勉誠出版)ほか。
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