
![]() 2009/07/17
冠婚葬祭のやり方やマナーにはいろいろな考え方があり、どれが正しいのか分からないという読者の方は多いと思います。そこで、雑誌『SOGI』編集長で死や葬送関係に関する評論活動をされている、碑文谷創さんに現在の葬送についてQ&Aの形式でお訊きします。今回は「お葬式をなぜするか」についてです。 Q: 最近の「お葬式」は「家族葬」が増えて、そのため「案内がないと行ってはいけない」、また「案内があればいかなければならない」というものに変わってきたような気がします。「お葬式」ってやらなければならないのでしょうか? A: どうもますます「家族葬」が人気なようで、葬祭業者が「これじゃやっていけない」と悲鳴を上げ始めています。 「家族葬」が増加すれば売り上げが減少する。死亡件数は増えているので人数は多く抱えていなければならない。「件数増加」→「人件費がかかる」。しかし1件あたりの売り上げは大幅に低下するので事業としては赤字になる。というのです。 それに対して消費者側は「いままで不当な利益を出していたのだから」と同情の欠片(かけら)もありません。 映画「おくりびと」を見た人は、山崎努扮する納棺業者が渋る主人公の本木雅弘に片手を示したシーンを覚えていますか? 片手は「月給50万円」を示していました。それを観た葬祭従事者が「ありえない!」と一様に反応しました。 高度経済成長期にはあり得た話でしょうが、つまり「特殊な仕事」と見なされていた時代には高額な給料を示さないと入社する社員がいなかったのですが、いまや「普通の仕事」になった葬祭業は「普通の給料」しかもらえません。 たくさんもらっているように見えて、それは宿直勤務がある等、異常な残業時間がもたらした産物で、けっして他の仕事に比べて時給が高いわけではないのです。 葬祭業を「うまく金儲けできる」と思って入った人は、特定の休日もないし、あっても取れない過剰労働で逃げ出します。残っているのは「人間が好き」として、他人のお世話をするのが生きがいになっている人です。また、そうでないと勤まらない職業なのです。
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