Q: 黒服に黒のネクタイがなぜこんなに流行したのですか A: 戦前は黒を着るほうが少なかったのでよかったのですが、戦後になり皆が黒を着て会葬するようになると、黒以外の服装で葬式に出るのが「浮いているのでは」「悼んでいないように見られるのでは」と心配して、皆に倣うようになりました。他人に比べておかしくないように、目立たない、というのが理由です。 しかし、葬式に出てわかるのですが、きちんとした礼服を着た人が悲しみ、悼んでいるとはかぎらず、若い死者の友人がTシャツにジーンズ姿のまま来て、涙を流しているのを見れば、重要なのは格好じゃないということです。死者や遺族を顧みる気持ちが最も重要なのです。 形が重要だという人もいます。しかし形が整っていても偲ぶ、弔うという気持ちがなければ意味がないのです。 Q: 法事で喪服はいつまでですか? A: 四十九日、一周忌…と法事がありますが、通常、遺族が喪服を着用するのは一周忌、または2年目の命日である三回忌までです。どうしてかと言えば喪服は喪に服していることを表すものだからです。遺族以外であれば法事に際して黒服の着用は必要ありません。 喪の期間をいつまでと決めることが妥当でないのは、子を喪った親の悲しみというのは、しばしば長引き、十三回忌すら超えることがあるからです。ですから喪服を脱ぐのは遺族自身が決定すべき事柄であると言えます。 (碑文谷 創)
筆者プロフィール
碑文谷 創(ひもんや・はじめ) ジャーナリスト。1946年岩手県生まれ。東京神学大学大学院修士課程中退。出版社勤務の後、1990年表現文化社(当時・表現社)設立。雑誌『SOGI』編集長を務めるかたわら、死や葬送関係に関する評論ならびに講演活動をテレビ・新聞・雑誌等で展開。 著書は『新・お葬式の作法~遺族になるということ~』(平凡社新書)『死に方を忘れた日本人』(大東出版社)『葬儀概論』(表現文化社)『「お葬式」の学び方』(講談社)ほか。監修『お葬式』『自分らしい葬儀』『冠婚葬祭暮らしの便利事典』(小学館)ほか。共著『仏教再生への道すじ』(勉誠出版)ほか。
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