
![]() 2009/05/22
冠婚葬祭のやり方やマナーにはいろいろな考え方があり、どれが正しいのか分からないという読者の方は多いと思います。そこで、雑誌『SOGI』編集長で死や葬送関係に関する評論活動をされている、碑文谷創さんに現在の葬送についてQ&Aの形式でお訊きします。今回は「会葬に伺う時の服装に関するマナー」についてです。 Q: 今回上司の奥様が亡くなられ、会葬することになりました。服装に関して守らなくてはいけないマナーがあれば教えてください。 A: マナー本を見ると、黒の略例服で参列する、女性は真珠のネックレス一連のもの―と書かれています。 1960年代以降、黒服が仏事の礼服みたいになっていますが、これは高度経済成長期の流行のようなもので、特に男性は仏事では黒のスーツに白のワイシャツに黒のネクタイ、結婚式ではネクタイを白にするというのが定式化しました。 黒のスーツをもっていれば、ネクタイを交換すれば葬儀にも結婚式にも対応できるので便利ということで定着しました。 結婚式の方は若い世代を中心に変わってきています。女性の参列者がそれぞれ自由に着飾るのは昔からですが、男性の参列者は30代以降では黒離れ、白の無地のネクタイ離れが進んでおり、かなり多様化してきました。 この変化が進むことで、黒の略礼服が結婚式にも葬儀にも両方使えます、という便利性は崩れることになります。 黒の略礼服は葬儀専用に変わりつつあります。また一方で「黒が好き」と日常でも黒服を身にまとう人が増えてきました。ネクタイもそうです。 葬儀でも若い世代を中心に黒服離れが少しずつ進行しています。これに対し、50代以上の方は「マナーを知らないヤツ」と冷たい目で見ることがあるようですが、通夜では昼間仕事をしていた人が通常のスーツで参列するのは以前からよく見られたことです。 「仕事帰りなのでこの格好で失礼します」という感じです。通夜であれば黒服より通常の服装がむしろ望ましいくらいです。 高度経済成長期には営業の一線に立っている人は会社のロッカーに黒の上下スーツと黒ネクタイを入れておいて、すぐ着替えて参列できるようにしているもの、と会社で叩きこまれたこともありました。
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