
![]() 2009/01/23
冠婚葬祭のやり方やマナーにはいろいろな考え方があり、どれが正しいのか分からないという読者の方は多いと思います。そこで、雑誌『SOGI』編集長で死や葬送関係に関する評論活動をされている、碑文谷創さんに現在の葬送についてQ&Aの形式でお訊きします。今回はお布施についてです。 Q: お葬式の際にお寺さんに渡すお布施の包みは黒白の水引で正しいのでしょうか? A: 香典(香奠)では主に熨斗袋にお金を包み、黒白の水引を使います。でもこれも地域等で異なるようで、私は京都で黄白の水引が用いられるのを見たことがあります。また、銀白の水引を使うこともあります。 水引の起源については小野妹子が中国(隋)から持ち帰ったとかの説もあり、古いことは確かでしょう。献上品に付けられたとか。水引が普及したのは室町時代の後期以降と言われます。 水引には「祝儀」と「不祝儀」があり、「祝儀」には紅白、「不祝儀」には黒白と一般に言われますが、不祝儀が黒白だとされたのは、もっと時代が下がり、明治後期以降のことであろうと思われます。 というのは、日本で喪の色が黒とされたのは、明治中期の皇室の葬儀以降のこと、それまでは日本の喪の色は白でした。明治政府の欧化政策の流れの中で、欧米の喪の色である黒を日本でも採用することになりました。いわば「国際標準」に合わせたのですから、水引の黒白は、どんなに古くても明治の中期以降になります。 葬儀や法事の香典として出すときは、一般に黒白の水引(京都等の例外あり)ですが、それは喪家(ソウケ、注*)に対してのもの、宗教者は別に喪に服しているのではないので黒白は用いません。 「お布施」は僧侶に渡すのですから、僧侶自体は喪に服しているわけではありません。一般のお礼と一緒に考えればいいことです。 ですから、僧侶等の宗教者への謝礼を黒白の水引で渡すのは誤りです。紅白の水引に熨斗袋でも間違えではありません。でも私は、一般に「お礼」の類は紅白であるというのを心得つつも、水引のない白封筒を薦めています。遺族にすれば、紅白はちょっと心理的に抵抗があるかな、と思うからです。 注*
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