女性の意見を聞かないと物事が決まらない
それだけではありません。葬式の規模やどんな葬式をしたいかについても女性の意向を聴かないと始まらなくなったのです。葬祭業者が遺族の男性と打ち合わせを進めても、後から遺族の女性たちの意見でそれが覆るのはもう珍しいことではありません。 今や家庭の財布は女性が握っているのがあたりまえです。葬式の費用についても家庭の財布を握る女性の発言権が大きいのも当然でしょう。 「それでも葬式の挨拶は男がすることが多い」と言われる方がいるかもしれません。それは、女性は「他人の前での挨拶なんか面倒でしたくない」からで、けっして「男を立てている」わけではありません。 でも、あまりに家族の男性が軟弱で挨拶もろくできないときには、娘や妻が挨拶します。それはそれは、立派な内容の挨拶です。 葬祭業者でも気の利いたところは、斎場(葬儀会館)の担当者にあえて中年の女性社員を担当につけます。それは遺族の女性の意向を的確につかもうとしているからです。 白木の祭壇に白菊だけの飾りから、色花も使われる明るい、温かな配色な生花祭壇が好まれるようになったのは、遺族の、特に女性の意向が反映してのことです。 女性の発言力の拡大が現在の葬儀の変化をもたらした、と言っても過言ではないでしょう。 (碑文谷 創)
筆者プロフィール
碑文谷 創(ひもんや・はじめ) ジャーナリスト。1946年岩手県生まれ。東京神学大学大学院修士課程中退。出版社勤務の後、1990年表現文化社(当時・表現社)設立。雑誌『SOGI』編集長を務めるかたわら、死や葬送関係に関する評論ならびに講演活動をテレビ・新聞・雑誌等で展開。 著書は『新・お葬式の作法~遺族になるということ~』(平凡社新書)『死に方を忘れた日本人』(大東出版社)『葬儀概論』(表現文化社)『「お葬式」の学び方』(講談社)ほか。監修『お葬式』『自分らしい葬儀』『冠婚葬祭暮らしの便利事典』(小学館)ほか。共著『仏教再生への道すじ』(勉誠出版)ほか。
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